サラリーマンと個人のための節税対策~手取りを増やす方法を解説~


一生懸命働いているのに、税金が高くて手取りが増えない…

そう感じていませんか?実は、会社員(サラリーマン)や個人の方が合法的に税金の負担を減らし、手元に残るお金を増やすための「節税」には、多くの方法が存在します。

この記事では節税の基本である所得税の仕組みから、誰でも始めやすい「iDeCo」や「ふるさと納税」、さらには「住宅ローン控除」や「副業」の節税術まで、サラリーマンや個人の方が知っておくべき節税対策を網羅的に解説します。


節税の第一歩!所得税・住民税の仕組みを知ろう


節税を効果的に行うには、まず給与から天引きされている「所得税」と「住民税」がどのように決まるかを知ることが不可欠です。

この仕組みを理解すれば、どの部分を工夫すれば税額を減らせるのかが見えてきます。


所得税は「課税所得」で決まる

所得税の計算は、単純に年収(収入)に税率をかけるわけではありません。

以下のステップで計算され、節税のポイントはこの計算過程に隠されています。


  • 収入:あなたの年収です。
  • 所得:収入から、サラリーマンの場合は「給与所得控除」という、経費に相当するものを差し引いた金額です。
  • 課税所得:所得から、さらに個人の事情に応じた「所得控除」を差し引いた金額です。この金額が小さいほど、税金は安くなります。
  • 所得税額:課税所得に所得税率(5%~45%の7段階の超過累進税率)を適用して計算します。
  • 最終納税額:算出した所得税額から「税額控除」を直接差し引いた、実際に納める金額です。


つまり、節税の鍵は「①所得控除を増やすこと」と「②税額控除を使うこと」の2つに集約されます。


年末調整と確定申告の使い分けが重要

サラリーマンの多くは、年末調整で税金の精算が完了します。

しかし、それだけでは損をしている可能性があります。

以下の控除を利用したい場合は、個人で「確定申告」を行う必要があり、これこそがより積極的に節税を行うためのアクションです。


  • 医療費控除
  • ふるさと納税(ワンストップ特例を利用しない場合、または6自治体以上に寄付した場合)
  • 住宅ローン控除(1年目)
  • 副業の所得が20万円を超える場合


確定申告は「自分には関係ない」と思わず、利用できる制度がないか確認することが大切です。


【節税の基本】所得控除を使いこなし、課税対象額を減らす


所得控除は、あなたの個人的な状況に応じて課税対象となる所得を減らしてくれる制度です。

適用できるものを漏れなく申告することが、節税の基本中の基本となります。


医療費控除

年間医療費が原則10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えた場合に適用できます。

家族分をまとめて、一番所得の高い人で申告すると節税効果が高まることがあります。


セルフメディケーション税制

特定の市販薬の購入費が年間12,000円を超えた場合に利用できる、医療費控除との選択制の制度です。


社会保険料控除

支払った健康保険料や国民年金保険料などの全額が控除対象です。


生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険料は最大12万円、地震保険料は最大5万円 が所得から控除されます(いずれも所得税の場合)。


扶養控除・配偶者控除

扶養している家族や所得要件を満たす配偶者がいる場合に適用されます。


iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)

後述するiDeCoの掛金は、支払った掛金の全額が所得から控除されるため、極めて高い節税効果があります。


【効果絶大】税額控除で納税額をダイレクトに減らす方法


税額控除は、所得控除よりもパワフルな節税策です。

なぜなら、計算された税額そのものから直接金額を差し引くことができるため、控除額がほぼそのまま節税額になるからです。


代表格は「住宅ローン控除」

住宅ローンを利用してマイホームを購入・リフォームした場合、年末のローン残高の0.7%が、最大13年間(中古住宅は10年)にわたり所得税から直接控除されます。

所得税で引ききれない分は、一定の限度額まで翌年の住民税からも控除される、非常にインパクトの大きい制度です。

適用には省エネ基準などの要件があり、入居した年の翌年に確定申告が必須です。


【攻めの節税】NISA・iDeCo・ふるさと納税の賢い活用法


ここからは、節税と資産形成を同時に実現できる、より積極的な制度をご紹介します。

サラリーマンや個人が将来のために資産を準備する上で、今や必須の知識と言えるでしょう。


① iDeCo(個人型確定拠出年金):最強の老後資金&節税策

iDeCoは、老後資金を自分で作る私的年金制度で、税制上のメリットが非常に大きいのが特徴です。


  • 掛金が全額所得控除:毎月の掛金が所得から差し引かれ、所得税・住民税が安くなります。
  • 運用益が非課税:通常約20%かかる投資の利益が非課税になります。
  • 受取時も控除あり:受け取る際も退職所得控除などの大きな税制優遇が受けられます。


掛金の上限額は加入者の職業などによって異なります。

原則60歳まで引き出せないデメリットはありますが、それを上回る節税効果と資産形成効果が期待できる、サラリーマンにとって最も優先度の高い制度の一つです。


② 新NISA(少額投資非課税制度):運用益が非課税になる

NISAは、専用口座内で得た投資の利益(売却益・配当金)がすべて非課税になる制度です。

2024年から始まった新NISAは、非課税期間が無期限になり、年間投資枠も最大360万円と大幅に拡充され、より使いやすくなりました。

iDeCoと異なり掛金の所得控除はありませんが、いつでも引き出し可能という自由度の高さが魅力です。

iDeCoで老後資金を盤石にしつつ、NISAで中期的な資金(教育資金や住宅資金など)を準備するなど、併用するのが賢い活用法です。


③ ふるさと納税:実質2,000円で返礼品+税金控除

応援したい自治体に寄付をすると、寄付額から自己負担額2,000円を引いた全額が、その年の所得税(還付)と翌年の住民税(減額)から控除される制度です。

これは実質的に「税金の前払い」に近い仕組みですが、多くの自治体から肉や魚、旅行券などの返礼品がもらえるため、非常にお得な制度として人気です。

控除される金額には年収や家族構成に応じた上限額があるため、ふるさと納税サイトのシミュレーターで必ず確認しましょう。


副業サラリーマン必見!事業所得と青色申告で節税を加速させる


働き方が多様化し、副業を持つサラリーマンが増えています。

副業による所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要ですが、ここにも大きな節税のチャンスがあります。


「事業所得」か「雑所得」かが分かれ道

副業の収入は、その実態によって「事業所得」か「雑所得」に分類されます。


  • 事業所得: 継続的・反復的に行われ、自己の責任で運営している場合に認められます。最大のメリットは、赤字を給与所得と相殺(損益通算)できることと、次に紹介する青色申告が使えることです。
  • 雑所得: 上記に当てはまらない一時的な収入などです。原則、赤字の損益通算はできません。


青色申告で最大65万円の特別控除

副業が事業所得と認められれば、「青色申告」を選択できます。

これにより、最大65万円の所得控除(青色申告特別控除)が受けられます。

ただし、65万円の控除を受けるには、複式簿記での記帳に加え、電子申告(e-Tax)または優良な電子帳簿保存を行う必要があります。

これらの要件を満たさない場合の控除額は55万円または10万円です。

会計ソフトを使えば個人でも十分対応可能です。


【Q&A】サラリーマン・個人の節税でよくある質問


Q1. 節税対策、何から始めればいいですか?

まずは、ご自身の源泉徴収票を見て所得や税額を確認することから始めましょう。

その上で、多くの方にとって節税効果も高い「iDeCo」と「ふるさと納税」を検討するのがおすすめです。

この2つは節税と資産形成の両面でメリットが大きい制度です。


Q2. 確定申告はやったことがなくて不安です

近年、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は非常に使いやすくなっており、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できます。

また、マイナンバーカードを使えば、医療費控除やふるさと納税の証明書データを自動で取り込んで申告書を作成することも可能で、手続きのハードルは年々下がっています。


Q3. 税理士に相談した方がいいのはどんな時ですか?

副業の規模が大きくなってきた、青色申告を始めたいが帳簿の付け方がわからない、住宅ローン控除と他の控除の組み合わせが複雑で判断できない、といった場合は税理士への相談を検討すると良いでしょう。

最適な節税方法の提案や申告代行、将来の税務調査への備えなど、専門的なサポートが受けられます。


【まとめ】節税は知識が力。今日からできることから始めよう


税金は、ただ支払うだけのコストではありません。

仕組みを正しく理解し、法律で認められた制度を賢く活用することで、ご自身の資産を最大化するための「税務マネジメント」が可能になります。

この記事で紹介した節税策は多岐にわたりますが、すべてを一度に行う必要はありません。


  1. まずは「iDeCo」「ふるさと納税」から検討してみる。
  2. 生命保険や地震保険に加入しているなら、年末調整で控除を漏れなく申告する。
  3. 医療費がかさんだ年は、確定申告で医療費控除を申請する。


このように、ご自身の状況に合わせて、できることから一つずつ実行していくことが重要です。

税制は毎年改正されるため、国税庁のウェブサイトなどで最新情報を確認する習慣をつけ、あなたにとって最適な節税プランを継続的に見直していきましょう。



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