個人事業主必見!損をしない確定申告の必要書類とその流れ、最新情報徹底解説

確定申告は、個人事業主にとって避けて通れない大切な業務です。

しかし、どの書類を準備すれば良いのか、青色申告と白色申告の違いは何か、さらには電子データ保存のルールまで考えるのは、正直おっくうですよね?

この記事では、確定申告の基本的な流れや必要な書類、注意点について詳しく解説しています。

安心して正確な確定申告を行うために、ぜひ参考にしてください。

 

確定申告初心者の個人事業主必見!確定申告の基礎知識と知っておくべきこと

 

確定申告の概要5つのポイント

 

  1. 確定申告とは
    1年間(1月1日~12月31日)の所得と税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです​​。

  2. 対象者
    主に個人事業主やフリーランス、年間の給与収入が2,000万円を超える会社員、副業で年間所得が20万円以上の方が対象となります​​。

  3. 必要性
    税金を正しく納める義務を果たし、所得控除や税額控除を適用することで税負担を軽減できます​​。

  4. リスク
    確定申告を怠ると延滞税や無申告加算税が課され、最悪の場合、法的措置が取られることもあります​。

  5. 申告期間
    毎年2月16日~3月15日の間に行います。期限を過ぎるとペナルティが発生する場合があるので注意が必要です​​。

 

確定申告とは、1年間の所得金額と税金を計算し、その内容を税務署に申告する手続きのことです。

確定申告は税金を正確に納めるための個人事業主に課せられた義務です。

確定申告の対象となるのは、個人事業主やフリーランスの方、または副業所得が一定額ある(20万円以上)会社員が対象です。

なぜ確定申告が必要なのか?

それは、正しく税金を納めないと(具体的な法律名)法律違反となり、延滞税や罰則金が科される可能性があるからです。

また、確定申告をすることで医療費控除や寄附金控除といった所得控除を受けられ、税負担を軽減することができます。

確定申告を怠ることは所得税法(第120条、第127条など)に違反する行為に該当する可能性があり、以下のペナルティが発生することがあります。

 

  • 延滞税
    納付期限を過ぎた税金に対して課される利息的な税金。

  • 無申告加算税
    確定申告を行わなかった場合に課される追加税金。

  • 重加算税
    意図的に税金を過少申告または隠蔽した場合に課される厳しい罰則税金。

 


これらの法律は、税の公平性と適正な運用を確保するために設けられており、そのため、正確に税金を申告・納付することが必要です。

 

青色申告と白色申告の違いを徹底比較!どちらが良いの?

 

項目青色申告白色申告
控除額最大65万円(e-Tax利用時)、55万円または10万円の控除が可能。
※複式簿記、期限内申告が条件。
控除なし(基礎控除や医療費控除は適用可)。
帳簿記帳の形式複式簿記が必要。
※単式簿記の場合、最大10万円控除。
簡易な単式簿記で可。
※最低限の帳簿付けが必要。
損失繰越控除3年間の損失繰越が可能(要申告)。損失繰越は不可。
手続き開業後2カ月以内または申告開始年の3月15日までに承認申請が必要。特別な手続きは不要(開業届の提出のみ必要)。
記帳の負担複雑だが、会計ソフトで効率化可能。記帳の負担は軽め。
追加のメリット・専従者給与の全額経費計上
・30万円未満の減価償却資産の一括経費計上
該当なし
青色申告と白色申告の比較表


青色申告と白色申告には、税制上の大きな違いがあります。

まず青色申告では最大65万円の控除が適用されるほか、赤字が発生した場合には3年間の損失繰越が可能です。

また、専従者給与の全額経費計上や少額減価償却資産の一括経費計上といった特典も受けられるため、税負担を大幅に軽減することができます。

一方、白色申告にはこれらの特典がなく、節税効果はほとんどありません。

ただし、青色申告には複式簿記での記帳が求められるため、記帳作業が複雑になるデメリットがあります。

一方、白色申告は単式簿記で簡易な記帳が認められていますが、2014年以降は白色申告者にも最低限の帳簿義務が課されており、青色申告と手間はそれほど変わらなくなっています。

結論として、青色申告は手間はかかるものの、節税効果が非常に高いため、個人事業主やフリーランスの方は青色申告を選択しましょう。

 

確定申告で必要な書類と入手先一覧


確定申告にはさまざまな書類が必要ですが、特に重要な書類は以下の通りです。

これらの書類を準備し、適切な申告手続きを行いましょう。

 

書類名内容入手先
確定申告書確定申告を行うための基本書類。
所得、税額、控除内容を記入します。
確定申告書A: 給与所得者や年金受給者向け。
確定申告書B: 個人事業主や複数所得者向け。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」または税務署。
青色申告決算書または収支内訳書青色申告者は損益計算書や貸借対照表を含む「青色申告決算書」を提出。
白色申告者は収入と経費を簡易記録した「収支内訳書」を提出。
国税庁ホームページから様式をダウンロード可能。
会計ソフトで自動作成可能。
源泉徴収票給与所得や退職所得、副業所得がある場合に必要。
所得額や源泉徴収税額を確認します。
勤務先や収入を得た企業。
医療費通知または領収書医療費控除を申請する際に必要。
医療費通知がない場合は領収書を使用。
健康保険組合、医療保険者、または医療機関。
寄附金受領証明書寄附金控除やふるさと納税控除を受ける際に必要。
ワンストップ特例制度を利用する場合は不要。
寄附先団体(自治体やNPO法人など)。
保険料控除証明書生命保険や地震保険などの保険料控除を受ける際に必要。
対象契約は生命保険、地震保険、介護医療保険。
各保険会社。
必要書類一覧と入手先一覧表

 

確定申告を行う際には、上記のような書類が必要になります。

まず「確定申告書」は、所得や税額、控除内容を記入するための書類です。

給与所得者や年金受給者は確定申告書A、個人事業主や複数の所得がある人は確定申告書Bを使用しましょう。

また、青色申告者は「青色申告決算書」を提出し、白色申告者は簡易記録の「収支内訳書」を提出します。

さらに、控除を受けるためには以下の書類が必要です。

 

源泉徴収票

 

  • 給与所得や副業所得がある場合に必須です。

  • 所得額や源泉徴収税額を確認できます。

 

医療費通知または医療費控除のための領収書

 

  • 医療費控除を申請する際に必要です。

  • 医療費通知がない場合は領収書を用意します。

 

寄附金受領証明書

 

  • 寄附金控除やふるさと納税控除を申請する際に必要です。

  • 寄附先団体から発行される証明書です。

 

保険料控除証明書

 

  • 生命保険や地震保険の控除を受ける際に必要です。

  • 保険契約の保険料を証明する書類です。


「源泉徴収票」は給与所得や副業所得がある場合に必須です。

「医療費通知」または医療費控除のための領収書があれば、医療費控除を受けることが可能になります。

「寄附金受領証明書」は寄附金控除やふるさと納税控除を申請する際に必要な書類で、寄附先団体から発行されます。

生命保険や地震保険の控除を受ける際には「保険料控除証明書」を保険会社から発行してもらいましょう。

 

確定申告で必要な書類や領収書は電子データでも大丈夫?

 


確定申告で必要な書類や領収書は、電子データとして保存することが可能です。

電子帳簿保存法では、紙の書類をスキャンして保存する場合や電子取引データをそのまま保存する場合の要件が定められています。

2022年1月の法改正により、特に電子取引に関しては、紙に印刷して保存する方法では認められず、データそのものを電子保存することが義務化されました。

 

  • 紙の書類をスキャンして保存する場合には、次の条件を満たす必要があります。

  • スキャン後3営業日以内にタイムスタンプを付与すること。

  • スキャン時の解像度を200dpi以上にすること。

  • カラー原本の場合はカラーで保存すること。

  • 電子取引データについては、日付、金額、取引先などの検索機能を確保すること。

  • 改ざん防止のため、タイムスタンプやログ管理を実施すること。

  • 電子データは、所得税法や法人税法に基づき、原則7年間保存すること。
    (赤字繰越控除の場合は最大10年間保存が必要)


また、電子取引データに関しては、日付や金額、取引先などの検索機能を確保すること、改ざん防止のためにタイムスタンプやログ管理を実施することが求められるようになりました。

なお、これらの電子データは、所得税法や法人税法に基づき、原則7年間保存しなければなりません(赤字繰越控除の場合は最大10年間)。

 

 

個人事業主が知っておくべき確定申告の流れ一覧

 

確定申告を行う際の基本的な流れは以下のとおりです。

各ステップで必要な書類や注意点を確認し、漏れなく手続きを進めましょう。

 

 
必要書類の準備
  • 収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合)

  • 領収書や請求書などの経費関連書類

  • 源泉徴収票(給与所得や副業所得がある場合)


青色申告者は正確な帳簿記帳が必須です(最大65万円控除の条件)。
領収書や請求書は7年間の保存義務があります。

 

 
必要な控除の確認
  • 医療費控除や寄附金控除などの適用条件を確認

  • 控除を受けるための証明書を用意(例: 医療費通知、寄附金受領証明書)

控除対象を事前に確認することで節税が可能です。
医療費の領収書は提出不要ですが、保管義務があります。

 

 
確定申告書の作成
  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用

  • 正確な入力で必要書類を作成


e-Taxを活用することで提出がスムーズになります。
マイナンバーカードや利用者識別番号の事前準備が必要です。

 
税額の計算と納付
  • 納付額を確認

  • 税務署窓口、ネットバンキング、ATMで納付

  • 振替納税やクレジットカードでの納付も可能


納付期限は原則3月15日です。
遅延すると延滞税が発生します。

 

 
 確定申告書の提出
  • 提出方法:税務署窓口、郵送、またはe-Tax

  • 控えの受領印または「受信通知」の確認


青色申告特典を受けるためには期限内に提出が必要です。
郵送の場合は消印が有効期限の基準となります。




個人事業主が確定申告を行う際には、事前の準備をしっかりと行っておくことが重要です。

まず、可能なら毎月、領収書や請求書などの経費書類を整理し、必要な書類を準備しておきましょう。

次に、医療費控除や寄附金控除など、自分が適用できる控除を確認しましょう。

その後、確定申告書を作成し、税額を計算します。

納付が必要な場合は、期日までに税務署窓口やネットバンキングで支払い、最後に、確定申告書を提出しましょう。

なお確定申告書の控えも大切に保管してくださいね。

確定申告は一見複雑ですが、e-Taxや会計ソフトを活用すれば手間を大幅に削減できます。

事前にスケジュールを立て、期限内に準備を進めることで、スムーズな申告が可能となります。

正確な申告を心掛け、税制特典を最大限活用しましょう。

必要書類の準備

 

注意点・勘違いしやすいポイント・コツ

 

  • 青色申告者は正確な帳簿記帳が必須です(複式簿記での記録)。

  • 領収書や請求書の保存義務は7年間あるので、紛失に注意してください。

  • 会計ソフトを使えば、自動で帳簿を作成でき効率的です。


必要書類の準備は、確定申告の第一歩であり、個人事業主の方にとって、もっとも面倒な作業です。

青色申告の場合、青色申告決算書が必要で、最大65万円の控除を受けるには正確な帳簿記帳が条件で、一方、白色申告の場合は収支内訳書を提出するだけでOKです。

領収書や請求書は、経費を証明する重要な書類であり、税務調査時に必要となるため7年間の保存が義務付けられています。

また、給与所得や副業所得などがある場合は、源泉徴収票の提出が必要です。

帳簿記帳が不十分だと青色申告の承認が取り消される場合もあります。

特に初心者は記帳ミスが起こりやすいため、会計ソフトを使うことを使っての記帳の作成をおすすめします。

 

必要な控除の確認

 

注意点・勘違いしやすいポイント・コツ

 

  • 医療費控除は自己負担額が10万円を超えないと適用されません。

  • 寄附金控除は適格団体に対する寄附のみが対象です。

  • 証明書類(医療費通知や寄附金受領証明書)の保管を忘れずに。



控除の確認は、節税効果を得るために欠かせない作業です。

例えば、医療費控除は、年間の自己負担額が10万円または総所得金額の5%を超える場合に適用されます。

また寄附金控除では、適格団体への寄附が対象となり、ふるさと納税も含まれます。

これらの控除を活用することで、税負担を大幅に軽減することができます。

一方で、控除の証明書を用意するのを忘れると申告がスムーズに進みません。

医療費の領収書は提出不要となりましたが、領収書の保管義務は現在も必要なため、しっかりと保管しておきましょう。

 

確定申告書の作成

 

注意点・勘違いしやすいポイント・コツ

 

  • 記載ミスや入力漏れは後日修正申告が必要になる場合があります。

  • e-Tax利用にはマイナンバーカードや識別番号が必須です。

  • 確定申告書等作成コーナーは自動計算機能があり便利です。


確定申告書の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用することで効率的に進められます。

国税庁で利用できるこのツールでは、必要な書類や金額を自動で計算が可能で、記入ミスを防いでくれます。

また、e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードや利用者識別番号が必要になるため、事前準備を忘れないようにしましょう。

なお、入力ミスや記載漏れがあると、後日修正申告が必要になる場合があります。

 

税額の計算と納付

 

注意点・勘違いしやすいポイント・コツ

 

  • 納付期限は3月15日です。期限を過ぎると延滞税が発生します。

  • 納付方法には窓口、ネットバンキング、振替納税など複数の選択肢があります。

  • 振替納税を利用する場合は事前の口座登録が必要です。


税額の計算と納付は、確定申告手続きの最終段階の作業です。

納付額を確認した後、税務署窓口やネットバンキング、ATM、クレジットカードや振替納税といった方法でも納税が可能です(振替納税を利用する場合は、事前に口座登録を行う必要がある)。

納付期限を過ぎると延滞税が日割りで課されるため、納付期限をしっかりと守りましょう!

また、ネットバンキングやクレジットカード納付を活用すれば、税務署に行く手間を省けるため、効率的に手続きを進められます。

 

確定申告書の提出

 

注意点・勘違いしやすいポイント・コツ

 

  • 提出期限内(3月15日)に間に合わせることが必須です。

  • e-Taxの受信通知が控えの代わりとなります。

  • 郵送の場合は消印が期限内であれば有効です。


確定申告書の提出は、税務署窓口、郵送、またはe-Taxで行えます。

特にe-Taxは、受付通知が記録として残るため便利です。

郵送の場合は、消印が提出期限内であれば有効となるため、期限ぎりぎりの場合でも対応が可能です。

青色申告の控除などを受けるためには、期限内に申告書を提出する必要があり、期限を過ぎると特典が失われるため、スケジュールをしっかりと管理しましょう。

 

確定申告もマイナンバーカードがあれば、簡単に!

 

マイナンバーカードがあると楽になる作業

 

  1. e-Taxを利用して、確定申告をオンラインで簡単に提出できます。

  2. 身元確認が不要になり、申告書の提出がスムーズに行えます。

  3. 各種控除の証明書データをオンラインで自動連携でき、手間が省けます。

  4. 利用者識別番号を使わずに直接申請が可能で、申請手続きが簡略化されます。

  5. 役所に行かずに自宅や職場から24時間手続きが可能になります。

実はマイナンバーカードとスマホがあれば、確定申告が誰でも簡単に行えるようになります。

e-Taxを利用する際、マイナンバーカードは本人確認に使用されるため、手間のかかる身元証明が不要になり、申告書の提出がスムーズになり、役所に出向く必要がなくなります。

また、各種控除に必要な証明書のデータ(医療費通知や寄附金控除の証明書など)をオンラインで自動的に連携できるため、書類の整理や添付作業も省略できます。

さらに、マイナポータルアプリを活用すれば、申告に必要な情報が簡単に確認でき、利用者識別番号を用いずに直接e-Taxで申告が可能になります。

マイナポータルアプリを使うことで、確定申告の申請にかかる時間や労力を大幅に削減できるだけでなく、自宅や職場から24時間いつでも申請ができるようになります。

マイナンバーカードとマイナポータルアプリは、忙しい経営者や個人事業主にとって非常に便利な存在なのです。

 

確定申告が不要な個人事業主の条件とは?例外はあるが基本的には全員が対象です!


確定申告は、個人事業主にとって原則として義務となっています。

しかし、例外的に確定申告が不要となるケースも存在します。 以下の表に、確定申告が不要となる条件の詳細をまとめました。

 

条件詳細
所得が基礎控除額以下所得が年間48万円以下の場合は課税対象にならず、確定申告が不要です。
※所得とは「収入-必要経費等」の金額を指します。

公的年金のみの受給者は年金収入が400万円以下の場合、確定申告が不要ですが、住民税の申告が必要な場合があります。
赤字決算かつ繰越控除をしない場合青色申告で赤字決算の場合でも、繰越控除を行わない場合は確定申告が不要です。
※白色申告では繰越控除は利用できませんが、住民税や保険料算定のため、市区町村への申告が必要になる場合があります。
給与所得がある場合副業所得が年間20万円以下で、給与所得が2,000万円以下かつ年末調整が済んでいる場合は確定申告が不要です。
※不動産所得や譲渡所得は別の基準が適用されます。
特定の非課税所得のみの場合生活保護や遺族年金などの非課税所得のみで生活している場合は確定申告が不要です。
※非課税所得以外に少額の所得がある場合は、申告義務が発生する可能性があります。
収入がない場合収入が全くない場合は所得もゼロとなり、確定申告の義務はありません。
※ただし、青色申告特別控除を適用したい場合は申告が必要です。
確定申告を行う必要がない個人事業主の条件

 

確定申告が不要な条件に該当する個人事業主は上記の表のように限定されています。

例えば、所得が基礎控除額以下(年間48万円以下)であれば確定申告が不要です。

ただし、「所得」とは「収入-必要経費等」の金額を指すため、公的年金や給与所得などの収入が基礎控除の対象額を超えた場合を除き、事業所得や雑所得が一定以上ある場合、確定申告を行わなければなりません。

具体的には、以下のような例が該当します。

  • 年間の所得が基礎控除額(48万円)を超える場合

  • 副業所得が20万円を超える場合(給与所得がある場合)

  • 公的年金収入が400万円を超える場合(他に所得がない場合でも確定申告が必要)

上記の基準を満たしている場合は、確定申告の義務が生じます。

所得金額は、「単なる収入」ではなく、必要経費や各種控除を差し引いた後の金額である点に注意が必要です。

公的年金の収入が400万円以下であれば確定申告は不要ですが、それとは別に住民税の申告が必要となる場合があります。

また、事業所得が赤字で繰越控除を行わない場合や、副業所得が年間20万円以下の場合も確定申告が不要です。

しかし、この20万円以下という基準は雑所得や事業所得に適用され、不動産所得や譲渡所得については別の扱いとなります。

 

過去に開業届を出している場合でも確定申告は不要?条件を詳しく解説!



開業届を提出した個人事業主でも、確定申告が不要な場合があります。

その条件は以下の表で詳しく説明します。

ただし、確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があるので注意しましょう。

条件詳細
所得が基礎控除額以下所得が年間48万円以下の場合は課税対象外となり、確定申告が不要です。
※所得は「収入-必要経費等」の金額を指します。
事業所得が赤字かつ繰越控除を利用しない場合赤字であっても、繰越控除を申請しない場合は申告不要です。
※青色申告の特典を利用しない場合に限ります。
収入が発生していない場合事業収入がゼロの場合は、所得もゼロとなり、確定申告の義務はありません。
青色申告を選択していない場合青色申告の特典を利用していない場合は、申告義務がないことがあります。
過去に開業届を出している場合の確定申告が不要な条件の表


過去に開業届を提出している場合であっても、条件次第では確定申告を行う必要がないことがあります。

例えば、所得が基礎控除額(年間48万円)以下の場合や、事業所得が赤字で繰越控除を申請しない場合です。

また、収入が全く発生していない場合も、所得がゼロとなるため確定申告の義務はありません。

しかし、確定申告が不要な場合でも、住民税や国民健康保険料の算定基礎となるため、この場合であっても、市区町村に対して「住民税申告」を行う必要があります。

また青色申告の承認を受けている場合、申告を怠ると青色申告特典(繰越控除、特別控除など)が利用できなくなる場合があります。

さらに、例え赤字であっても確定申告を行うことで、納税証明書の取得が容易になり、ローンや補助金申請の際に役立つことも少なくありません。

事業活動が継続していることを示す記録にもなり、税務調査の際にも説明しやすくなるため、必要に応じて申告を検討することが推奨されています。

 

個人事業主が確定申告を行うメリットとデメリットを徹底解説!


確定申告は、個人事業主にとってメリットとデメリットがあります。

それぞれをしっかりと理解した上で、申告手続きを進めるようにしましょう。

項目メリットデメリット
税制上の優遇措置青色申告特別控除(最大65万円)が適用され、税負担が軽減されます。正確な帳簿を作成する必要があり、手間がかかります。
信頼性の向上金融機関や取引先からの信用を得やすく、融資申請や契約がスムーズになります。正確な申告が求められるため、ミスがあるとペナルティを受けるリスクがあります。
損失の繰越控除事業が赤字の場合、翌年以降3年間の利益と相殺できる制度を利用できます。申告を怠ると、この控除の適用を受けられません。
節税の実現経費として認められる範囲を理解し、適切に申告することで節税が可能です。税金の仕組みを理解しないと、控除や経費を見落とす可能性があります。
法的義務の履行税法を遵守し、法的トラブルを回避できます。期限を守らない場合、延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。
確定申告のメリットとデメリット一覧表



個人事業主が確定申告を行うことで得られるメリットは非常に大きく、逆に赤字であっても確定申告を行わないリスクは少なくありません。

面倒に感じる確定申告であっても、青色申告特別控除や損失の繰越控除といった税制優遇措置を活用することで、税負担を大幅に軽減することが可能です。

青色申告特別控除では、正確な帳簿を作成し、条件を満たすことで最大65万円(e-Tax利用時)または55万円の控除が適用されるため、課税所得が減少し、納税額が減るため大きなメリットとなります。

損失の繰越控除では、事業所得が赤字となった場合であっても、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の所得と相殺することができるため、赤字を出した年でも自身の事業が継続しやすくなり、経営を安定させる税務上のメリットがあります。

また、確定申告を通じて正確な帳簿を作成することで、事業の健全性を証明でき、融資や取引先との信頼関係の構築に役立ちます。

一方、確定申告を行わない場合には、法的なリスクが生じるだけでなく、自身の事業に対する信用が低下してしまうといったデメリットもあります。

 

個人事業主が確定申告を行わない場合に生じる様々なリスク



確定申告を怠ると、税務署からペナルティが課される可能性があります。

延滞税や無申告加算税などの金銭的な負担だけでなく、青色申告の承認取り消しや税務調査など、事業に大きな影響を与える次の表のようなリスクもあります。

 

リスク詳細
延滞税の発生納付期限を過ぎた税金に対して延滞税が課されます。
・根拠法令: 国税通則法第60条
・利率: 納期限の翌日から2カ月以内は「年7.3%」または「特例基準割合+1%」の低い方。
2カ月を超える場合は「年14.6%」または「特例基準割合+7.3%」の低い方が適用されます。
※延滞税は日割り計算されます。
無申告加算税の課税期限後に申告した場合、最大20%の無申告加算税が課されます。
・根拠法令: 国税通則法第66条
・割合: 50万円以下は15%、超える部分は20%。
・軽減措置: 自主的に期限後申告した場合や正当な理由がある場合、課税が免除されることがあります。
青色申告承認の取り消し確定申告を怠ると青色申告の承認が取り消される可能性があります。
・根拠法令: 所得税法第144条、第145条
・結果: 青色申告特別控除や損失繰越控除の利用ができなくなります。
損失繰越控除の権利喪失赤字を出した場合でも申告を行わないと、損失繰越控除が適用されません。
・根拠法令: 所得税法第145条
・条件: 青色申告承認を受け、連続して申告を行う必要があります。
税務調査リスクの増加申告を怠ることで税務署に不審を抱かれ、調査対象となる可能性が高まります。
・重加算税: 意図的な申告漏れが認定された場合、最大で35%の課税が行われます(国税通則法第68条)。
・税務調査は申告漏れや不備がある事例が優先的に対象となります。
確定申告を行わない場合に発生するリスク一覧


個人事業主が確定申告を行わない場合、数多くのリスクが生じます。

まず「延滞税」が発生し、納付期限を過ぎた税額に対して日割りで計算される利息的な税金が課されてしまいます。

特に納期限から2カ月を超える場合には、年14.6%または特例基準割合+7.3%が適用され、負担額が大きくなります。

さらに、「無申告加算税」が課される場合、最大で納付税額の20%が追加で徴収されます(ただし、期限後に自主的に申告を行えば、軽減措置が適用される場合もある)。

また、青色申告の控除を失うリスクも深刻です。

確定申告を怠ると青色申告承認が取り消され、最大65万円の青色申告特別控除や損失繰越控除が適用されなくなります。

特に損失繰越控除ができない場合、赤字を出しても翌年以降の利益と相殺できず、事業の成長を妨げる要因となってしまう、大きなデメリットです。

さらに、申告を怠った場合には税務署からの信用が低下し「税務調査」の対象になるリスクが高まります。

税務調査の対象となり、脱税などが見つかった場合は最悪の場合、重加算税として最大で納付税額の35%が追加で課される可能性があります。

このような法的・金銭的なリスクを避けるためにも、確定申告を確実に行うことが必要なのです。

 

個人事業主の確定申告のまとめ

 

確定申告は個人事業主にとって重要な業務ですが、手続きの煩雑さや正確な記帳が求められるため、多くの方が負担を感じています。

この記事では、青色申告と白色申告の違いや確定申告に必要な書類や注意点、そして電子データ保存のポイントなどを解説しました。

要点をまとめておきましょう。

 
  • 確定申告とは、1年間の所得と税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。
  • 青色申告と白色申告があり、個人事業主は節税効果の高い青色申告がおすすめです。
  • 確定申告には確定申告書収支内訳書など、さまざまな書類が必要です。
  • 確定申告は原則として義務ですが、所得が年間48万円以下の場合などは不要です。
  • 期限内に申告しないと延滞税や無申告加算税が課されるなどのリスクがあります。

 

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