相続税申告を控え、「税理士に依頼すべきか」「費用はどのくらいかかるのか」とお悩みではありませんか?
相続税は財産の種類や分割方法によって計算が複雑になり、自己対応では申告漏れや過払いのリスクが高まります。
ただし、相続に強い税理士を選ぶことで、正確な申告と最適な節税対策が可能になり、余計な手間や相続税の不安などを大きく減らすことができるでしょう。
本記事では、相続税申告にかかる税理士費用の相場や、失敗しない税理士の選び方について詳しく解説しています。
相続税申告の税理士費用はどれくらい?相場価格を知ろう!
相続税申告を税理士に依頼する場合、その費用がどれくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
税理士報酬は相続財産の総額によって変動し、基本報酬と加算報酬の2つで構成されています。
以下に、相続税申告の税理士費用の概要を整理しました。
相続税申告の税理士費用の概要
- 相場は遺産総額の0.5〜1.0%が一般的
5,000万円の遺産なら25万〜50万円、1億円なら50万〜100万円が目安 - 料金体系は「基本報酬+加算報酬」
加算報酬は土地評価・相続人の人数・申告期限の短さなどで変動 - 依頼先によって料金が異なる
低料金を強調する事務所はサービス内容が限定される可能性あり - 税理士費用の負担者は相続人が協議して決定
一般的には相続財産から分担するケースが多い - 事前見積もりが重要
料金トラブルを避けるため、見積もりを明確にすることが大切
相続税申告の税理士費用とは、税理士に相続税の計算や申告手続きを依頼する際に発生する報酬のことです。
一般的な相場は遺産総額の「0.5〜1.0%」とされており、財産額が大きくなるほど費用も高くなります。
税理士費用の内訳は「基本報酬」と「加算報酬」に分かれます。
基本報酬は財産額に応じた固定料金で、多くの税理士事務所が料金表にて公開しています。
一方で、加算報酬は相続財産の種類や申告の複雑さに応じて発生します。
例えば「土地の評価が複雑」「相続人が多い」「申告期限が迫っている」などの場合に、加算報酬が追加されることがあります。
相続税申告業務における「基本報酬」と「加算報酬」の違い
相続税申告を税理士に依頼する際、「基本報酬」と「加算報酬」の2つの費用体系があります。
それぞれの違いを以下の表にまとめました。
項目 | 基本報酬 | 加算報酬 |
---|---|---|
定義 | 相続税申告の基本的な業務にかかる固定報酬 | 追加で発生する特別な作業に対する報酬 |
料金の決定基準 | 遺産総額(例:0.5〜1.0%) | 土地評価・相続人の数・申告期限の短さなど |
発生条件 | 相続税申告を依頼する全てのケースで適用 | 財産が複雑な場合や申告期限が迫っている場合など |
具体的な例 | 遺産1億円の場合、50万〜100万円の基本報酬 | 土地評価が必要な場合+5万円、申告期限3ヶ月未満+20% |
目的 | 相続税申告の基本的な業務をカバーする | 追加業務の負担を補い、適正な申告を実現する |
相続税申告における基本報酬とは、遺産総額を基準に算定される固定費用であり、申告業務全般をカバーします。
例えば、遺産総額5,000万円の場合は25万〜50万円、1億円なら50万〜100万円が一般的な相場です。
一方、加算報酬は特定の事情により追加で発生する費用です。
相続財産に土地が含まれる場合、持っている土地の評価に手間と時間がかかるため5万円〜10万円の追加報酬が発生することがあります。
また、相続人が多い場合や、申告期限が迫っている場合も加算報酬の対象となります。
基本報酬はすべての相続税申告に共通して必要ですが、加算報酬は依頼内容によって異なります。
そのため、事前に見積もりを取り、どの程度の加算報酬が発生するのかを確認することが重要です。
費用を抑えたい場合は、早めに準備を進め、余計な加算報酬がかからないようにするようにしましょう。
また、相続申告業務の中に、どういった加算報酬があるかも、この記事の中で合わせて理解しておきましょう。
相続税申告業務における加算報酬一覧
「加算報酬」が発生するケースを以下の表にまとめました。
加算報酬の種類 | 発生条件 | 加算金額の目安 |
---|---|---|
土地の評価 | 相続財産に土地が含まれる場合 | 1区画あたり5万〜10万円 |
非上場株式の評価 | 相続財産に非上場株式が含まれる場合 | 1社あたり10万〜20万円 |
相続人の人数加算 | 相続人が複数いる場合 | 1人増えるごとに基本報酬の10%加算 |
申告期限間近の特急対応 | 申告期限まで3ヶ月未満の場合 | 報酬総額の20%〜50%加算 |
書面添付制度の利用 | 税務調査対策のための書面添付を行う場合 | 5万〜8万円 |
相続税申告における加算報酬の中で代表的なものとしては「土地の評価」や「非上場株式の評価」があります。
土地の評価とは、相続財産に含まれる土地の価格を適正に算出する業務です。
土地の形状や立地、利用状況によって評価額が変動し、専門的な知識が必要になります。
特に、市街地の路線価や倍率方式、特殊な地形の補正計算などが絡むため、税理士による詳細な分析が求められます。
次に非上場株式の評価とは、相続財産に含まれる非上場企業の株式の価値を算出する業務です。
上場株式と異なり市場価格がないため、企業の財務状況や業績、類似業種の株価などを基に複雑な計算を行います。
評価方法には純資産価額方式や類似業種比準方式があり、適切な手法を選ぶことが重要です。
これらの業務は財産の評価が複雑で手間がかかるため、追加費用が発生します。
また、意外な加算報酬として「申告期限間近の特急対応」があります。
相続税の申告期限は故人が亡くなってから10ヶ月以内ですが、申告が遅れるとペナルティが発生するため、期限が迫っている場合には優先対応の加算報酬として「申告期限間近の特急対応」が発生します。
他にも「相続人の人数加算」も見落としがちなポイントで、相続人が多いほど申告書の作成が複雑になるため、追加料金が必要になることがあります。
相続税申告の依頼費用を決める要因一覧
相続税申告の費用は一律ではなく、依頼内容や財産の状況によって大きく変動します。
遺産の種類や申告の複雑さが影響し、加算報酬が発生するケースも少なくありません。
以下に、相続税申告の費用を決定する主な要因をまとめました。
要因 | 影響する理由 | 費用への影響度 |
---|---|---|
遺産総額 | 財産額が大きいほど計算や書類作成の手間が増える | 基本報酬が高くなる(0.5〜1.0%が目安) |
財産の種類 | 土地・非上場株式などの評価が必要な場合、計算が複雑になる | 加算報酬が発生(例:土地評価1区画5万〜10万円) |
相続人の人数 | 相続人が多いほど申告書の作成や調整が増える | 1人増えるごとに10%程度の加算 |
申告期限までの期間 | 期限が短いと優先対応が必要になる | 特急対応として報酬の20%〜50%加算 |
税理士の専門性 | 相続税専門の税理士ほど高度な節税対策が可能 | 経験豊富な税理士は報酬がやや高め |
相続税申告の費用が変動する、最も基本的な要素は「遺産総額」です。
一般的に、税理士報酬の相場は遺産総額の0.5〜1.0%となっており、財産額が大きいほど税理士に支払う費用も高くなります。
次に「財産の種類」も相続制申告に大きな影響の1つです。
現金や預貯金の相続は比較的シンプルな申告業務で済みますが、土地や非上場株式が含まれると評価作業が必要になり、加算報酬が発生します。
特に、土地の評価は立地や形状によって計算方法が異なり、税理士による詳細な分析と評価が求められるため、どうしても高額になってしまいがちです。
さて、この章では、先に挙げた相続税申告費用が変動する要因について具体例も交えながら、詳しく解説します。
遺産総額が費用に与える影響
費用が増える要因
- 財産額が大きくなると、計算・申告書類の作成量が増加
- 相続税の節税対策が必要になり、専門的なアドバイスが求められる
- 高額な遺産では税務調査のリスクも高まり、事前対策が必要
遺産総額は相続税申告の基本報酬を決定する最も重要な要因です。
一般的に、税理士報酬は遺産総額の0.5〜1.0%が目安とされています。
財産額が大きくなるほど、正確な評価や書類作成に多くの時間と労力が必要になるため、税理士費用も上がります。
また、税務調査の可能性が高くなるため、リスク対策の追加報酬が発生することもあります。
財産の種類による費用の違い
費用が増える要因
- 土地や非上場株式は評価計算が複雑で、専門知識が必要
- 1区画ごとに異なる計算方式を適用する必要がある
- 書類収集や現地調査が必要になり、追加費用が発生
財産の種類によって、相続税申告の難易度は大きく変わります。
現金や預貯金の申告だけでなく、相続する財産に土地や非上場株式が含まれる場合は、評価が複雑になり、追加の専門業務が発生します。
例えば、土地の評価では、立地や形状、用途地域による補正が必要で、1区画あたり5万〜10万円の加算報酬が発生することがあります。
非上場株式の場合は、企業の財務状況を分析し、適切な評価方法を選択する必要があるため、1社あたり10万〜20万円の追加費用がかかることがあります。
相続人の人数が費用に与える影響
費用が増える要因
- 相続人が増えると、遺産分割協議が複雑化
- 相続人ごとに申告書を作成する必要がある
- 手続きや調整に時間がかかるため、追加報酬が発生
相続人の人数が多いと、遺産の分配に関する調整が必要となり、申告書の作成や説明業務の負担が増加します。
そのため、1人増えるごとに10%程度の加算報酬が発生することが一般的です。
例えば、相続人が3人いる場合は基本報酬の130%、5人なら150%になることがあります。
また、相続人同士の意見がまとまらない場合、遺産分割協議書の作成や調整に追加の時間がかかり、報酬が高くなるケースもあります。
申告期限までの期間による費用の変動
費用が増える要因
- 期限が短いと、優先対応が必要になる
- 必要書類の準備を短期間で完了させる必要がある
- 通常業務に加えて特急対応が求められるため、割増料金が発生
相続税の申告期限は、被相続人が亡くなった日から10ヶ月以内と定められています。
例えば、申告期限まで3ヶ月を切っている場合、報酬の20%〜50%の特急対応加算が発生するケースもあります。
費用が加算される原因は、短期間での対応は、書類の収集や評価作業の迅速化が求められるため、税理士側の負担が大きくなるからです。
税理士の専門性による費用の違い
費用が増える要因
- 相続税専門の税理士は高度な節税対策を提案できる
- 質の高い申告書を作成し、税務調査リスクを軽減できる
- 実績豊富な税理士ほど、報酬がやや高めに設定されている
一般の税理士よりも、相続税に特化した税理士の方が、節税対策や税務調査対策に長けており、より正確で有利な申告が可能になるため、高度な専門知識や経験が求められ、対応の質が向上する分、税理士に支払う報酬も相応に高くなります。
ただし、相続財産が複雑な場合や、税務調査のリスクが高い場合、相続専門の税理士に依頼することで、結果的に納税額を抑えられる可能性があります。
一般的に、経験豊富な税理士の報酬は相場価格よりも、10万〜30万円程度高く設定されることが多いです。
この章では、相続税申告における税理士費用の決まり方と、財産の種類や相続人の数によって費用がどのように変動するのかをご理解いただけたかと思います。
次の章では、実際のシミュレーションを通して、具体的な費用の目安や発生する加算報酬について詳しく見ていきましょう。
相続税申告における税理士費用の具体的なシミュレーション
相続税申告で、いくらぐらい税理士費用がかかるのかは、多くの方にとって分かりづらいポイントではないでしょうか。
特に、財産の種類や相続人の人数によって費用がどのように変動するのかがイメージしにくいかもしれません。
以下に、相続財産5000万円、1億円、そして1億円+土地1区画のケースについて、税理士費用のシミュレーションを表にまとめました。
試算条件 | 基本報酬 | 相続人の加算報酬 | 土地評価報酬 | 合計費用 |
---|---|---|---|---|
相続財産5000万円(現金・預貯金) | 25万〜50万円 | 2.5万〜5万円(相続人2人) | なし | 27.5万〜55万円 |
相続財産1億円(現金・有価証券) | 50万〜100万円 | 10万〜20万円(相続人3人) | なし | 60万〜120万円 |
相続財産1億円+土地1区画 | 50万〜100万円 | 10万〜20万円(相続人3人) | 5万〜10万円 | 65万〜130万円 |
この章では、上記の表の条件をもとに具体的なシミュレーションを通じて、相続税申告にかかる税理士費用の目安を分かりやすくご紹介します。
相続財産5000万円(現金・預貯金)の場合
費用内訳
- 基本報酬(遺産総額の0.5〜1.0%)…… 25万〜50万円
- 相続人の加算報酬(1人追加ごとに10%)……2.5万〜5万円(相続人2人)
- 土地評価なし
- 合計費用……27.5万〜55万円
このシュミレーションは、5000万円の相続財産には、現金・預貯金のみが含まれている場合です。
この場合、特別な評価業務は必要なく、基本報酬のみで申告手続きを進めることができます。
ただし、相続人が2人いるため、申告書の作成や遺産分割の調整に一定の手間がかかり、加算報酬として2.5万〜5万円が追加される形になっています。
相続申告業務の手続きとしては、相続財産の一覧を作成し、申告書を作成して税務署に提出する流れとなります。
特別な控除や複雑な評価が不要なため、比較的スムーズに進めることができます。そのため、このケースでは税理士費用の総額は27.5万〜55万円程度が見込まれます。
相続財産1億円(現金・有価証券)の場合
費用内訳
- 基本報酬(遺産総額の0.5〜1.0%)……50万〜100万円
- 相続人の加算報酬(1人追加ごとに10%)……10万〜20万円(相続人3人)
- 土地評価なし
- 合計費用……60万〜120万円
このシュミレーションでは、1億円の相続財産として、現金だけでなく、有価証券も含まれています。
財産額が増えると、相続税申告の業務量が増加し、それに伴い税理士の基本報酬も高くなる仕組みになっています。
例えば1億円の相続財産を申告する場合、税理士の基本報酬は50万〜100万円が目安です。
相続人が3人いる場合の影響
相続人が増えると、それぞれに対する遺産分割協議のサポートや税務申告書の作成が必要になります。
このケースでは、3人いるため3通の申告書が必要になります。
さらに、各相続人ごとに納税額が異なるケースや、特定の相続税控除が適用される場合には、個別の税務計算が発生します。
こうした追加の作業に対して、税理士は1人増えるごとに10%程度の加算報酬を設定していることが多く、今回は10万〜20万円の追加費用がかかる計算になります。
税理士の役割と業務の負担増加
このようなケースでは、税理士は単に税額を計算するだけでなく、遺産分割がスムーズに進むよう調整する役割も担います。
特に、有価証券が含まれている場合は
- どの相続人がどの資産を受け取るのが最も税務上有利か
- 相続後の売却・運用を考慮して分配する方法は何か
- 税務リスクを回避するためにどのような分割方法を選ぶべきか
といったアドバイスを行うため、通常の現金のみの相続よりも時間と手間がかかります。
そういった条件を踏まえると、相続財産が1億円の場合、税理士費用の総額は60万〜120万円が目安となります。
この金額には、
- 基本報酬50万〜100万円(相続財産額に基づく)
- 相続人の加算報酬10万〜20万円(相続人3人分)
が含まれています。
ただし、さらに土地や非上場株式が含まれる場合は追加の加算報酬が発生し、費用が増加する可能性があるので、その場合はさらに追加費用がかかります。
相続財産1億円+土地1区画を含む場合
費用内訳
- 基本報酬(遺産総額の0.5〜1.0%)……50万〜100万円
- 相続人の加算報酬(1人追加ごとに10%)……10万〜20万円(相続人3人)
- 土地評価報酬(1区画あたり5万〜10万円)……5万〜10万円
- 合計費用……65万〜130万円
財産額が増えると、相続税申告の業務量が増加し、それに伴い税理士の基本報酬も高くなります。
このシュミレーションでは1億円の相続財産を申告する場合、税理士の基本報酬は50万〜100万円が目安です。
さらに今回は、相続人が3人いるため、10%程度の加算報酬として、10万〜20万円の追加費用がかかる計算になっています。
さらに土地の相続もあるため他の追加費用がかかります。
相続人が3人いる場合の影響(土地の相続の場合)
このケースでは相続人が3人いますが、さらに土地の分割方法(現物分割・換価分割・共有分割)によって評価額や課税方法が異なり、相続税の計算が変わってきます。
例えば、具体的な計算として以下のようなケースが考えられます。
- 現物分割の場合
土地を相続人ごとに分けるため、各人の取得する土地の評価額を計算し、不均等な分割が生じた場合には代償金の支払いが必要になる。 - 換価分割の場合
土地を売却して得た資金を相続人で分けるため、売却時の譲渡所得税や手続き費用が加味され、相続税の計算が変動する。 - 共有分割の場合
相続人全員で土地を共有するため、各人の持分に応じた評価額を算出し、それに基づいて相続税を計算する。
このように、土地の分割方法によって課税額や申告手続きが異なるため、個別の税務計算が発生します。
土地は現金とは異なり、均等に分けることが難しく、評価額の調整や共有持分の設定が必要になることが多いため、これに伴い税理士の業務負担も増加し、加算報酬が発生するケースが一般的です。
税理士の役割と業務の負担増加
このようなケースでは、税理士は単に相続税額を計算するだけでなく、遺産分割が円滑に進むように調整する役割も担います。
特に、土地が相続財産に含まれる場合は、分割方法によって税負担や相続人の権利関係が大きく変わるため、慎重に対応しなければなりません。
そのため税理士は以下のようなポイントを考慮しながら、相続人にとって最適な分割方法を提案します。
- どの相続人がどの土地を取得するのが最も税務上有利か
- 土地を分割する場合、どの方法が適切か(現物分割・換価分割・共有など)
- 評価額を調整し、相続税の負担を軽減するための最適な手段は何か
土地の評価や相続は、相続人の間で意見が分かれることも多く、スムーズな合意形成のために税理士のサポートが重要な役割を果たします。
仮に、問題なくスムーズに相続が行われたと仮定しましょう。
その際に相続財産が1億円で、土地を含む場合にかかる税理士費用の総額は65万〜130万円が目安です。
この金額には
- 基本報酬:50万〜100万円(相続財産額に基づく)
- 相続人の加算報酬:10万〜20万円(相続人3人分)
- 土地評価報酬:5万〜10万円(1区画あたり)
が含まれています。
ただし、さらに複数の土地がある場合や、特殊な評価が必要な土地(例えば、市街地にある高額な不動産や賃貸用の土地)を含む場合は、加算報酬が増える可能性があります。
相続税申告の税理士費用は控除できる?
相続税申告を依頼する際、税理士費用が発生しますが、この費用が控除の対象になるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
控除の可否は、相続税の計算ルールに基づいて決まります。
以下に、税理士費用の控除について整理しました。
税理士費用の控除に関するポイント
- 相続税の計算上、税理士費用は控除できない
- 準確定申告の費用は控除可能
被相続人の確定申告(準確定申告)に関する税理士費用は、所得税の経費として控除可能 - 遺産分割協議のサポート費用は控除不可
相続人間の分割交渉などの相談費用は、相続税の控除対象外 - 土地評価や税務調査対応の費用も控除不可
土地の評価や税務調査対策にかかる費用も、相続税の控除対象外 - 相続財産からの支払いは可能
相続税申告の税理士費用は、基本的に相続税の計算上、控除の対象にはなりません。
相続税の課税価格(相続財産の合計額)を計算する際、税理士費用は相続財産を減額する要因とはならないためです。
つまり、税理士費用を支払ったとしても、相続税額が減ることはありません。
ただし、被相続人(亡くなった方)の所得税の確定申告(準確定申告)に関する税理士費用は、所得税の控除対象となるため、控除の適用が可能です。
また、相続人が税理士に依頼する遺産分割協議や税務調査対応の費用も、相続税の控除対象にはなりません。
ただ控除はできませんが、税理士費用を相続財産から支払うことは可能です。
そのため、相続人全員で費用負担の方法を話し合い、適切に処理するようにしましょう。
失敗しない!相続税申告を依頼する税理士の選び方
相続税申告をスムーズに進めるためには、信頼できる税理士を選ぶことが重要です。
実は税理士の経験や得意分野によって、節税対策や手続きのスピードやトータルでかかる費用に大きな違いが生じます。
特に、相続税に精通しているか、料金体系が明確かどうかは必ず確認しましょう。
以下に、信頼できる税理士を選ぶためのポイントを整理しました。
ポイント | 確認すべき内容 | 注意点 |
---|---|---|
相続税の専門性 | 相続税申告の実績が豊富か | 相続税申告の実績が豊富か 一般的な税務業務が中心の税理士は相続税に詳しくない可能性あり |
料金体系の明確さ | 基本報酬・加算報酬の内訳がはっきりしているか | 事前見積もりを出さない税理士は費用が不透明になりやすい |
税務調査対応の経験 | 税務調査を見越した申告ができるか | 経験が少ない税理士は、税務調査リスクを軽減できない可能性あり |
サポート範囲 | 相続人との調整や遺産分割のアドバイスができるか | 申告書作成だけでなく、相続人間の調整まで対応できるかを確認 |
他士業との連携 | 司法書士・弁護士と連携できるか | 相続登記や遺産分割協議のサポートも必要になるケースあり |
相続税申告を依頼する際、税理士の選び方を誤ると、節税対策が不十分になったり、税務調査のリスクが高まったりする可能性があります。
特に、相続税に関する経験が少ない税理士に依頼すると、適用できる控除や特例を見落とし、結果的に相続税額が高くなるケースもあります。
そのため、相続税専門の税理士かどうかを確認することが最も重要です。
また、料金体系が不透明な税理士は、申告後に追加費用を請求される可能性があるため、事前に明確な見積もりを提示できるかも確認するようにしてください。
さらに、相続税申告だけでなく、税務調査対策や遺産分割協議のサポートを行ってくれるかどうかも選定のポイントになります。
経験豊富な税理士は、税務署の調査ポイントを把握し、適正な申告書を作成することで、税務調査のリスクを低減できます。
また、司法書士や弁護士と連携できる税理士であれば、相続登記や遺産分割に関する問題もワンストップで解決できるため、相続全体の手続きをスムーズに進めることが可能です。
相続税を安くするための税理士選びのチェックポイント
相続税申告を依頼する際、適切な税理士を選ぶことが、相続税を最小限に抑える鍵となります。
税理士によって節税対策の知識や経験が異なるため、相続税の専門性が高い税理士を選ぶことが重要です。
以下に、相続税を安くするための税理士選びのチェックポイントをまとめました。
チェックポイント | 確認方法 | 注意点 |
---|---|---|
相続税専門の税理士か | 税理士事務所の公式サイトで「相続税専門」または「相続税申告の実績」を確認 | 法人税・所得税が専門の税理士は相続税対策に不慣れな場合がある |
口コミ・評判 | Googleマップの口コミや税理士紹介サイトのレビューをチェック | 評価が極端に高すぎる場合は、意図的な操作の可能性もあるため注意 |
料金の透明性 | 公式サイトで「料金表」や「報酬シミュレーション」が掲載されているかを確認 | 料金が不明瞭な場合は、後から高額請求されるリスクがある |
問い合わせ対応の質 | 実際に問い合わせをして、対応の丁寧さや説明の分かりやすさをチェック | 対応が遅い、または不親切な税理士はトラブルの元になりやすい |
無料相談の有無 | 初回無料相談があるか、WEBサイトで確認し、気軽に相談できるか試す | 無料相談がない場合、初回から費用が発生し、相性の確認がしづらい |
税理士を選ぶ際に重要なのは、相続税に強い専門家であるかどうかを見極めることです。
だからこそ必ず、税理士事務所の公式サイトを確認し、「相続税専門」または「相続税申告の実績が豊富」な税理士かどうかをチェックしましょう。
また、実際に依頼する前にGoogleマップの口コミや税理士紹介サイトのレビューを参考にすることもお忘れなく。
ただし、評価が極端に高すぎる場合は、意図的に操作されている可能性もあるため、複数のサイトを比較して客観的な意見を集めることが大切です。
公式サイトに「料金表」や「報酬シミュレーション」が掲載されているかを確認し、見積もりを依頼する際には、基本報酬だけでなく、土地評価や加算報酬の有無についても事前に確認も行いましょう。
最後に、実際に問い合わせをして、対応の質を確かめることもおすすめします。
電話やメールで問い合わせた際に、説明が丁寧で分かりやすい税理士は、実際の業務でも信頼できる可能性が高いです。
初回無料相談を実施している税理士であれば、相性を確認したうえで依頼できるため、安心して選ぶことができるでしょう。
相続税と税理士費用についてのまとめ
相続税申告は、専門知識が必要な複雑な手続きが多く、自己対応では大きな負担となります。
だからこそ相続に強い税理士に依頼しましょう。
特に、土地評価や非上場株式の評価が絡むケースでは、相続に強い税理士のサポートが必要不可欠です。税理士を選ぶ際は、相続税専門の知識を持ち、料金体系が明確で信頼できる事務所を選ぶことが重要です。
今回の記事のまとめです。
- 相続税申告の税理士費用は、相続財産の総額や内容、相続人の数で変動する
- 税理士の専門性によって節税対策の精度が異なり、税額に大きな影響を与える
- 土地や非上場株式の評価が必要な場合、適正な評価を行うことで納税額を抑えられる
- 信頼できる税理士を選ぶためには、WEBサイトや口コミ、料金の透明性を確認することが重要
- 相続税申告を税理士に依頼することで、手続きの手間を省き、税務調査リスクを軽減できる
税理士を選ぶ際は、相続税専門の知識を持ち、料金体系が明確で信頼できる事務所を選ぶことが重要です。
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