会計ソフトfreee(フリー)の導入を考えたとき、
- まずは無料で試すべきか、それとも最初から有料プランを選ぶべきか?
- 無料と有料では、具体的に何がどう違うの?
といった疑問は、多くの方が抱えることでしょう。
「無料」という言葉には惹かれるものの、実際にどこまで使えるのか、後から困ることはないのか、不安に感じる方も少なくありません。
この記事では、freee会計の「無料」と「有料プラン」(個人・法人向け)の料金・機能・サポートの違いを解説します。
freee会計の最適なプランを見つける方法
freee会計には、「ずっと無料で使い続けられるプラン」というのは、ほとんどありません。
一般的に「無料」と言われるのは、主に以下の2つのケースです。
- 最初の30日間だけ、全ての機能が試せる「無料お試し期間」
- 有料プランをやめた後になる、使える機能が大幅に減る「プラン未契約」という状態
そのため、実際にビジネスでfreee会計をしっかり使っていくなら、何らかの有料プランを選ぶ必要があります。
「プラン未契約」の状態は、あくまでデータを一時的に置いておく場所だったり、再度有料プランに申し込むための一時的なステップだと考えておくと良いでしょう。
有料プランには、個人事業主向けと法人向けそれぞれに、料金や使える機能が異なるいくつかのコース(段階)が用意されています。
料金が高いコースになるほど、次のような便利な機能が充実してきます。
- 消費税の申告機能
- 複数人で一緒に使える機能
- 他のシステムとデータを繋ぐAPI連携
- 詳しい経営状況がわかるレポート機能
- 丁寧なサポート体制
だからこそ、「今、自分のビジネスに何が必要か?」「将来、どんな機能があったら助かるか?」をよく考えて、それぞれのプランで「できること」と「できないこと(制限)」をしっかり見比べることが、後悔しないプラン選びのためにはとても大切です。
freee会計の「無料」ってどこまで使える?
freee会計の「無料」は、有料プランの全機能が試せる「無料トライアル期間」(原則30日間)と、トライアル終了後または有料プラン解約後に移行する「プラン未契約」状態の2つを理解する必要があります。
特に2024年11月25日以降、法人向けプラン未契約状態では機能がさらに縮小される点に注意が必要です。
【2024年11月からの変更対応】freee会計、有料プランを使わない場合の主な機能制限
未契約状態は、継続的な会計業務には適さず、データ保持と有料プラン再契約のための一時的な受け皿としての性格が強いです。
機能項目 | 個人事業主向けプラン未契約での制限 | 法人向けプラン未契約での制限 |
---|---|---|
取引データの閲覧・編集 | 利用不可 | 利用不可 |
請求書類の閲覧・編集(freee会計内) | 利用不可 | 利用不可(freee請求書では可) |
書類・レシートアップロード(ファイルボックス) | 利用不可 | 利用不可 |
銀行口座・クレジットカード同期 | 利用不可(既存連携も解除) | 利用不可(既存連携も解除) |
確定申告書・決算書の出力 | 利用不可 | 利用不可(決算申告メニューはアドバイザー等限定) |
仕訳帳・総勘定元帳のCSV/PDF出力 | 利用不可 | 利用不可 |
API連携 | 利用不可 | 利用不可 |
製品利用に関するサポート | 利用不可(料金・アカウント関連のみ可) | 利用不可(料金・アカウント関連のみ可) |
個人事業主のためのfreee会計プラン選び~料金と機能を確認~
個人事業主向けには主に3つの有料プランがあり、それぞれ30日間の無料お試しが可能です。
機能・特徴 | スタータープラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
---|---|---|---|
月額料金(税抜・年払い時) | 980円 | 1,980円 | 3,316円 |
推奨ユーザー例 | 消費税免税のフリーランス、副業 | 消費税課税事業者、日常的な経理業務を行う個人事業主 | 複数拠点経営、内部統制強化、手厚いサポート希望者 |
確定申告対応 | 青色・白色 | 青色・白色・農業所得 | 青色・白色・農業所得 |
消費税申告 | × | ◯(インボイス対応) | ◯(インボイス対応) |
レシート画像アップロード | 月5枚まで | 月10GBまで | 月10GBまで |
レポート機能 | 基本(現預金レポート等 | 詳細(月次推移、資金繰り、売掛・買掛等) | 詳細(スタンダードプランに同じ) |
利用可能人数 | 1名 | 3名(4人目~有料追加可) | 3名(4人目~有料追加可、年払いのみ) |
電話サポート | × | × | ◯ |
税務調査サポート補償 | × | × | ◯(最大50万円) |
乗換代行サービス | × | × | ◯ |
部門別会計 | × | × | ◯ |
仕訳承認・月次締め | × | × | ◯ |
消費税の納税義務の有無、取引量、必要なサポート体制などがプラン選択のポイントです。
スタータープランのレシートアップロード月5枚の制限は、多くの事業者にとってスタンダードプラン以上を選択する理由となり得ます。
法人のためのfreee会計プラン選び~料金と機能を確認~
法人向けプランも多様なニーズに対応できるよう複数のプランが用意されており、各プラン30日間の無料お試しが可能です。
機能・特徴 | ひとり法人プラン | スタータープラン | スタンダードプラン | アドバンスプラン |
---|---|---|---|---|
月額料金(税抜・年払い時) | 2,980円 | 5,480円 + 従量課金 | 3,8,980円 + 従量課金 | 39,780円 + 従量課金 |
推奨企業規模(従業員数目安) | 1名(小規模) | 小規模法人 | 10~50名 | 21名~ |
基本ユーザー数 | 1名 | 3名 | 3名 | 5名 |
追加ユーザー料金(経理/経営者) | 月1,000円/名 (最大2名) | 月300円/名 | 月300円/名 | 月1,000円/名 |
消費税申告機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
部門別会計レベル | △(限定的) | △(5部門まで等) | ◯(全CSVエクスポート等) | ◎(多階層、配賦) |
経費精算レベル | × | ◯(1段階承認、従量課金) | ◯(1段階承認、従量課金) | ◎(多段階承認、高度WF) |
請求書一括作成・送付 | × | △(従量課金) | ◯(従量課金) | ◯ |
カスタムレポート | × | × | ◯ | ◯ |
電話サポート | × | ◯ | ◯ | ◯ |
法人向けでは、基本料金に加えて発生しうる従量課金や、事業規模の拡大に伴い必要となる機能(部門別会計、高度な経費精算ワークフローなど)の対応状況がプラン選択のポイントとなります。
【応用編】freee会計のAPI連携とは?データはどう管理される?
freee会計を他のサービスと連携させたり、日々の作業を自動化したりしたい場合、「API連携」ができるかどうかはプラン選びの重要なポイントです。
データ管理のルールと合わせてチェックしましょう。
「API連携」って何?
API連携とは「freee会計と他のシステム(例えば、あなたが使っている販売管理ソフトや、自社で作ったツールなど)を繋いで、情報を自動でやり取りできるようにする仕組み」のことです。
これにより、手入力の手間を減らしたり、より高度なデータ分析ができたりします。
プランごとのAPI利用の可否と特徴
API連携は、契約するプランによって「できること」や「使える量」に違いがあります。
- 有料プランを契約していない場合(無料お試し後や解約後など)
残念ながら、この状態ではAPI連携を利用することはできません。
他のシステムとの自動連携はできないため、全ての作業をfreee会計内で手動で行う形になります。
- 多くの個人事業主向けプランや、法人向けでも比較的お手頃なプランの場合
基本的なAPI連携が利用可能です。
例えば、日々の取引データを他のシステムから自動で取り込む、といった基本的な連携に使えます。
ただし、1日に情報をやり取りできる回数には上限(目安として3,000回程度)が設けられています。
また、プランによっては利用できるAPIの種類(連携できる情報の種類や操作)が少し異なる場合があります。
- 法人向け「アドバンスプラン」の場合
より多くの情報をやり取りできるようになり、1日の上限回数も増えます(目安として5,000回程度)。
基本的な連携に加えて、より専門的で高度なAPI連携も使えるようになります。
例えば、部門ごとの詳細な会計データを他の経営分析システムと繋ぐなど、経理業務をさらに効率化したい場合に役立ちます。
- 法人向け「エンタープライズプラン」の場合
API連携の機能を最大限に活用できるプランです。
1日の情報やり取りの上限回数が最も多く(目安として10,000回程度)、freee会計が提供するほとんどのAPI機能を使えるようになります。
会社で使っている複数のシステムとfreee会計を大規模に連携させたい場合や、非常に複雑なデータの自動処理を行いたい大企業向けの選択肢と言えるでしょう。
freee会計プランに関する実際の声
実際にfreee会計の有料プランを使っている人たちからは好評です。
- 記帳が自動で楽
銀行口座やクレジットカードをfreeeに登録しておけば、取引の明細が自動で取り込まれ、面倒な入力作業がぐっと減ります。
- 確定申告もスムーズ
複雑で分かりにくい確定申告の書類作りも、freeeが分かりやすくサポートしてくれるので安心です。
- レシートはスマホで撮るだけ
レシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、簡単に経費として処理できます。もうレシートの山に悩まされることもありません。
- 会社の経営状態がすぐわかる
売上や経費の状況をグラフなどで分かりやすく見られるレポート機能が充実しているので、経営判断に役立ちます。
- 請求書作りもすぐに作成
見積書や請求書を簡単に作成し、メールでサッと送ることができます。
使いやすさについては、こんな声が聞かれます。
- 会計初心者でも安心
「簿記の知識がなくても、画面の指示に従って進めば直感的に使える!」という良い評判が多いです。
- 経験者は少し慣れが必要
ただ、これまで他の会計ソフトを長く使ってきた方からは、「freee独自の画面デザインや操作方法に慣れるまで、少し戸惑った」という意見も時々見られます。
困ったときのサポート体制についてです。
freeeでは、利用しているプランによって受けられるサポートの内容が異なります。
特に、有料プランを契約していない「プラン未契約」の状態(無料お試し期間が終わった後など)では、質問できる範囲や方法がかなり限られてしまうので、この点は注意が必要です。
【まとめ】最適なfreee会計プランで会計業務を効率化
最適なプラン選択のためには、以下の点を確認しておきましょう。
- 個人事業主か法人か?
- 消費税の課税事業者か?
- 取引量・レシートの枚数は?
- 必要なユーザー数と権限管理は?
- どの程度のレポート・分析機能が必要か?
- 部門別会計の必要性は?
- API連携によるシステム自動化は視野に入れる?
- サポート体制はどのくらい必要か?
- 予算の制約は?
- 特定の業務フロー(経費承認、定期請求など)への対応は?
将来の事業成長や拡張性も考慮し、30日間の無料トライアルを活用して、費用対効果の検証をオススメします。
freee会計の「無料」状態は機能が大幅に制限されるため、継続的な事業運営には有料プランの契約が実質的に必須です。
自身の事業要件(取引量、納税義務、成長段階など)を徹底的に評価し、無料トライアルを活用して最適なプランを選択しましょう。
現在のニーズを満たし、将来の成長も見据えた費用対効果の高いプランを選ぶことが、会計業務の効率化と事業成長に繋がります。
クラウド会計ソフト「freee」で経理を簡単に、もっと効率的に!
freee会計は、経理業務の自動化と効率化を実現するクラウド会計ソフトです。
銀行口座やクレジットカードとの連携による取引明細の自動取り込みや、AIによる勘定科目の提案機能により、面倒な入力作業を大幅に削減します。クラウド型であるため、常に最新の法令に自動で対応し、サーバー管理の負担もありません。
このfreee会計は、個人事業主の方から中小企業の皆様まで、それぞれのニーズに合わせた機能を提供します。
【個人事業主の方・小規模ビジネスオーナーの方へ】
簿記の知識があまりなくても直感的に操作できる点が大きな魅力です。
日々の記帳から確定申告書類の作成まで、画面の案内に従って進めるだけで簡単に行えます。
これにより、経理作業にかかる時間を削減し、本業に集中できる環境をサポートします。
【中小企業の経理担当者様へ】
基本的な経理機能に加え、より高度な業務に対応します。
日々の経理処理はもちろん、月次決算、多角的なレポート作成、さらには内部統制の強化まで、中小企業のバックオフィス業務全体を効率化するクラウドERP(Enterprise Resource Planning)としてご活用いただけます。
請求書発行・債権管理・支払管理・経費精算といった周辺業務との連携もスムーズで、複数人での同時作業や柔軟な権限管理も可能です。
IPOを目指す企業様にも対応できる拡張性を備えており、事業の成長を力強くサポートします。