クラウド会計ソフトの「freee会計」は、とても使いやすいと評判で、多くの個人事業主やフリーランスの方に利用されています。
特に、会計の知識があまりない方でも見たまま操作できる画面や、毎日の経理作業を自動で楽にしてくれる機能が人気の理由です。
しかし無料プランには注意が必要です。
この記事では、個人事業主の方がfreee会計の無料プランを検討するときに、事前に知っておくべき大切なポイントを解説します。
【重要】「無料お試し期間」と「無料プラン(有料契約していない状態)」は別物!
freee会計の「無料」について調べるとき、まず最初に絶対に理解しておいてほしいことがあります。
それは「無料お試し期間」と、その期間が終わった後に移行する可能性のある「無料プラン(有料プランを契約していない状態)」とでは全く違うということです。
「無料お試し期間」とは?
freee会計の有料プランが持っている便利な機能を、一定の期間だけ文字通り無料で試せる期間のことです。
「無料プラン(有料プランを契約していない状態)」とは?
こちらは、「無料お試し期間」が終わった後、有料プランを契約しなかった場合に自動的に切り替わるアカウントの状態を指します。
この状態になると、使える機能が大幅に制限されてしまいます。
特に注意が必要なのは、2024年1月15日以降、個人事業主向けの無料プランでは、会計ソフトとしてできることが非常に限られてしまい、以前のように会計処理をこなすのはほぼ難しくなってしまいました。
freee会計の「無料」は2種類!「お試し期間」と「プラン未契約」
freee会計で「無料」と聞くと、全部同じように感じるかもしれませんが、実は大きく分けて2種類あります。
「無料お試し期間」ってどんなもの?
まず、「無料お試し期間」についてです。
これは、freee会計の有料プランが持つ便利な機能を、実際にタダで使ってみることができる期間のことです。
- どれくらいの期間?
だいたい30日間くらい用意されています。
- どんな機能が使えるの?
この期間中は、あなたが選んだ有料プラン(たとえば「スタータープラン」や「スタンダードプラン」など)の、ほとんど全ての機能を使うことができます。
「自分の仕事にfreee会計が本当に役立つかな?」ということを、具体的に試しながら確かめられます。
- 本当に無料なの?
「無料お試し期間」を始めるのに、クレジットカードの情報を登録する必要はありません。
そして、期間が終わったからといって、自動的に有料プランに切り替わって料金が発生することもありませんので安心してください。
期間が終わると、あなたのアカウントは次に説明する「無料プラン(プラン未契約)」という状態に切り替わります。
「無料プラン(プラン未契約)」って何?
「無料プラン(プラン未契約)」についてです。
これは、「無料お試し期間」が終わったあと、どの有料プランにも申し込まなかった場合に、あなたのアカウントが自動的に切り替わる状態を指します。
freeeの公式サイトなどでは「プラン未契約」という名前で呼ばれています。
- どんな機能が使えるの?
この状態になると、使える機能が少なくなります。
特に、2024年1月15日に内容が変更されてからは、個人事業主の方がこの「プラン未契約」の状態で、日常の会計処理に必要な基本的な機能の多くが使えなくなってしまいました。
- どういう位置づけなの?
会計ソフトとして継続して使うというよりは、アカウント情報をとりあえず残しておくため、または将来的に有料プランに切り替えるかもしれない人のための「待機場所」といった感じです。
個人事業主向け無料プランの機能制限
freee会計の個人事業主向け「無料プラン(有料契約していない状態)」ですが、実は2024年1月15日から、使える機能がものすごく大きく変わりました。
もし「無料のまま使いたいな」と考えているなら、この変更点をしっかり知っておくことが本当に大切です。
どの機能が使えなくなったのか?
2024年1月15日以降、個人事業主の方が「無料プラン(有料契約していない状態)」でfreee会計を使うときに、特に大切ないくつかの機能が使えなくなったり、ものすごく制限されたりするようになりました。
会計ソフトとして使い続けられるかどうかに大きく関わる、とても重要な変更点です。
取引データの閲覧・編集
以前は「直近1か月に登録したデータのみ可」でしたが、この変更により、過去の取引内容の確認や修正が一切できなくなりました。
これは会計業務を行う上で致命的な制限です。
請求書類の閲覧・編集
freee会計の機能としては利用不可となりました。
ただし、後述する「freee請求書(新帳票機能)」を利用すれば、そちらで作成・閲覧・編集は可能です。
書類の写真等のデータ取込が利用不可
以前は「月5枚まで」利用可能でした。
レシートや領収書の画像アップロード機能が使えなくなるため、証憑管理の利便性が低下します。
仕訳帳のCSV/PDF出力が利用不可
以前は「お試し10データの出力のみ」可能でした。
データの外部保存や他ソフトへの移行が困難になります。
総勘定元帳のCSV/PDF出力が利用不可
以前は「お試し10データの出力のみ」可能でした。
これもデータのエクスポートに関する重要な制限です。
確定申告書類の作成機能が利用不可
以前は「申告内容の入力まで可能」でしたが、これによりfreee会計の無料プランで確定申告を完結させることができなくなりました。
個人事業主にとって確定申告機能は会計ソフトを選ぶ上で非常に重要な要素であり、この変更の影響は甚大です。
口座の同期・連携が利用不可
以前は利用可能で、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込むことができましたが、これが使えなくなることで、手入力の手間が大幅に増えます。
【個人事業主】プラン未契約 新旧機能比較
機能 | 旧 プラン未契約 | 新 プラン未契約 |
---|---|---|
取引データの閲覧・編集 | 直近1か月に登録したデータのみ可 | 利用不可 |
請求書類の閲覧・編集 | 直近1か月に登録した書類のみ可 | 利用不可 ※freee請求書(新帳票機能)での作成・閲覧・編集は可能 |
書類の写真等のデータ取込 | 月5枚まで | 利用不可 |
仕訳帳のCSV/PDF出力 | お試し10データの出力のみ | 利用不可 |
総勘定元帳のCSV/PDF出力 | お試し10データの出力のみ | 利用不可 |
確定申告書類の作成機能 | 申告内容の入力まで可能 | 利用不可 |
口座の同期・連携 | 利用可 | 利用不可 ※プラン未契約では随時連携解除されデータ連携(同期)が停止。有料プラン契約で再開可。 |
現在の無料プラン(プラン未契約)で「できること」と「できないこと」
現在の個人事業主向け「プラン未契約」の状態で具体的に何ができて、何ができないのかをみていきます。
無料プラン(プラン未契約)で「できる」こと
使える機能はかなり限られてしまいますが、それでもいくつかできることは残っています。
基本的な設定メニューを見ること
- 「マスタ・口座」メニュー(取引先や銀行口座の情報など)
- 「その他設定」メニュー(事業所の情報など)
- 「ヘルプ」メニュー(使い方ガイドなど) こういった基本的な設定画面を開いて確認することができます。
事業所の情報を管理すること
- 事業所の名前や住所などを設定したり、もし複数の事業所を登録している場合は、表示を切り替えたりできます。
有料プランへの変更手続きなど
- 「やっぱり有料プランの機能を使いたい!」と思ったときに、プランを選んで申し込む手続きなどはここから行えます。
「freee請求書」(新しい請求書システム)を使うこと
- freee会計のアカウントを使って、「freee請求書」という別の機能にログインできます。
- こちらでは、請求書や見積書などを作成したり、内容を見たり、修正したりすることが可能です。
できることは、主にあなたのアカウント情報を管理したり、契約に関する問い合わせをしたり、そして「freee請求書」という独立した機能を使うための入り口、といった役割が中心です。
無料プラン(プラン未契約)では実「できない」会計の業務
「無料プラン(プラン未契約の状態)」では、次のような会計の中心となる作業をfreee会計のシステム上で行うことは、ほぼ不可能になってしまいました。
毎日の取引を記録すること
新しい取引を登録したり、過去に登録した取引データを見たり直したりすることができないため、日々の帳簿づけを継続して行うことができません。
確定申告の書類を作ること
確定申告のための機能そのものが使えなくなってしまったので、freee会計を使って確定申告の書類を作成し、税務署に提出する(電子申告など)ことはできません。
銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込むこと
銀行口座やクレジットカードの会社と連携する機能が止まってしまうため、取引の明細を自動でfreee会計に取り込んで、帳簿づけを楽にすることができません。
会計データをパソコンに保存したり、他のソフトに引っ越したりすること
「仕訳帳」や「総勘定元帳」といった、会計でとても大切なデータを、CSVやPDFといった一般的なファイル形式でパソコンに保存(エクスポート)することができません。
データを手元にバックアップとして残したり、もし他の会計ソフトに乗り換えたいと思っても、データを簡単に移すことが非常に難しくなります。
freee請求書(新帳票機能)は無料プランでも使える?
freee会計本体の機能は、無料プラン(プラン未契約)だと大幅に制限されてしまいますが、「freee請求書」という請求書作成システムは、ある程度使い続けることができます。
freee請求書は独立したサービスとしての側面がある
「freee請求書」は、freee会計とは別に、それ自体が請求書発行サービスとして機能する作りになっています。
そのため、freee会計が「プラン未契約」の状態でも、お持ちのfreee会計アカウントを使ってfreee請求書にログインし、無料プランの範囲内で請求書関連の作業ができます。
freee請求書自体にも無料プランが用意されているのです。
freee請求書(無料プラン)で作れる書類
freee請求書の無料プランでは、一般的に以下の書類を作成できます。
- 請求書
- 見積書
- 納品書
- 発注書
- 領収書
freee会計が無料プランの場合の「freee請求書」の制限点
freee会計が無料プラン(プラン未契約)の個人事業主の方がfreee請求書を利用する際には、いくつかの重要な機能制限があります。
有料プランの場合と比べて、仕事の効率や自動化できる範囲が変わってきますので注意が必要です。
主に以下の機能が制限されます。
一括操作の制限
- メールの一括送信:利用できません。
- 郵送代行の一括依頼:利用できません。
便利な請求機能の制限
- 定期的な請求書作成の予約:1件のみ利用可能です。
- 複数の請求をまとめる合算請求:利用できません。
メールテンプレートの作成不可
- よく使うメールのひな形を作成・保存しておくことができません。
会計ソフトとの自動連携ができない可能性が高い
freee請求書で作成した請求情報(売上データなど)が、freee会計の帳簿に自動で取引として登録されたり、入金の状況が自動で更新されたりする連携機能が、利用できない可能性が高いです。
つまり、freee請求書で請求書を発行できても、その内容をfreee会計の帳簿へ自動で反映させることは期待できません。
freee会計の無料プランでは、そもそも会計データの登録や編集ができないように大幅に機能が制限されているため、freee請求書からデータが送られても、freee会計側でそれを有効な会計データとして処理できないと考えられるからです。
「会計との自動連携なし」は何が困る?
この「会計との自動連携ができない」という点は、日々の業務に大きな影響を与えます。
freee請求書で書類を作成したとしても、その内容が自動でfreee会計の帳簿に記録されないのであれば、
- 別途、会計ソフトに手で入力し直す
- あるいは、会計処理自体を別の方法で行う
といった手間が必要になります。
freee請求書は使えても、会計処理の自動化というメリットは得られない点に注意が必要です。
「無料プラン(個人事業主)」でfreee請求書を使うときの機能一覧
無料プラン(プラン未契約)の個人事業主の方が、「freee請求書」という請求書作成システムを利用する場合に、どんなことができて、どんな制限があるのかを以下にまとめました。
機能カテゴリ | 具体的な機能 | 利用可否・制限 |
---|---|---|
基本的な書類作成 | 書類の作成・編集・閲覧 作成した書類のPDFダウンロード | 〇 可能 |
書類の送付 | 書類をメールで個別送信 書類をメールで一括送信 郵送代行サービス(個別) 郵送代行サービス(一括) | 〇 可能 × 利用できません △ × 利用できません |
便利な請求機能 | 定期的な請求書の自動作成予約 複数の請求を1つにまとめる(合算請求) | △ 1件までなら可能 × 利用できません |
メール関連 | メールテンプレート(ひな形)の作成・利用 | × 作成・利用できません |
会計連携 | freee会計への取引データの自動登録 freee会計への入金ステータスの自動連携 | × 自動連携できません × 自動連携できません |
特に注意してほしいポイント
- freee会計本体との自動連携はできません
freee請求書で請求書などを作成しても、その内容(売上データや入金状況)が、freee会計の帳簿に自動で記録されたり、情報が同期されたりすることはありません。
- 会計処理は別途必要
請求書はfreee請求書で発行できますが、その後の会計処理(帳簿への記録など)は、手入力で行うか、別の方法を検討する必要があります。
30日間の「無料お試し期間」を最大限に活用する方法
freee会計は便利そうだけど、ずっと無料で使えるわけではありません。
最初に用意されている30日間の「無料お試し期間」が、freee会計が本当にあなたのビジネスに合うかを見極めるチャンスです。
30日間の「無料お試し期間」を最大限に活用する方法とについて解説します。
目的をはっきりさせて試す
普段の仕事の流れにfreee会計を当てはめてみて、「本当に業務が楽になるか?」「この機能は自分にとって使いやすいか?」といった点を具体的に検証しましょう。
特に、無料プラン(プラン未契約)になると利用できなくなってしまう機能を中心に、集中的にテストすることが重要です。
お試し期間中の確認リスト
多くの個人事業主の方にとって重要な機能です。
お試し期間中に必ず実際に操作して、自分に合うかどうかを評価しましょう。
銀行口座・クレジットカードとの連携
- 普段使っている金融機関の口座やクレジットカードが問題なく連携できるか?
- 設定は簡単にできるか?明細はスムーズに取り込まれるか?
これは経理を自動化する上で非常に重要です。無料プランでは使えなくなる機能なので、最優先で試しましょう。
取引の入力と自動仕訳
- 取り込まれた明細や手入力した取引に対して、freeeのAIがどれくらい正確に勘定科目を推測してくれるか?
- 手動での入力や、間違っていた場合の修正はスムーズに行えるか?
経営状況がわかるレポート機能
- 損益レポート(儲けの状況)、貸借対照表(財産の状況)、資金繰りレポートなど、経営状態を把握するのに必要なレポートは見やすいか?内容は理解しやすいか?
請求書の発行機能(freee会計の中で)
- 請求書発行業務が多い場合、freee会計本体の請求書機能は使いやすいか?会計データとしっかり連携するか?
無料プランで単独利用できる「freee請求書」との使い勝手を比較検討する良い機会です。
確定申告の準備機能
- 画面の案内に従って、実際の収入や経費をイメージしながら確定申告書類の作成プロセスを一通り体験してみましょう。
- 青色申告・白色申告のどちらに対応しているか、e-Tax(電子申告)は利用できそうかも確認ポイントです。これは有料プランの大きなメリットの一つです。
スマートフォンアプリの使い心地
- スマホアプリでレシートを撮影して取り込めるか?(文字の読み取り精度はどうか?)
- 外出先で取引を入力したり、経営状況をサッと確認したりするのに便利そうか?
試用中のポイントと注意点
- どの有料プランの機能を試しているか意識しよう
無料お試し期間では、特定の有料プラン(例えばスタータープランやスタンダードプランなど)の機能が提供されています。
自分がどのプランの機能を試しているのかを意識することで、もし有料プランへ移行する場合に、「この機能が使えるなら、この料金でこの価値があるか」を具体的に判断できます。
- 期間が終わる前に「続けるか、他のソフトにするか」を決めよう
無料お試し期間の30日以内に、freee会計の有料プランに移行するのか、あるいは他の会計ソフトを検討するのかを判断することが大切です。
期間が終了して無料プラン(プラン未契約)になると、機能が大幅に制限され、十分な評価ができなくなってしまいます。
freee会計のデータとサポート|無料プランとお試し期間で知っておくべきこと
freee会計を安心して使うためには、入力したデータがどう扱われるのか、困ったときにどんなサポートが受けられるのかを知っておくことがとても大切です。
特に無料プラン(プラン未契約)の場合、注意すべき点があります。
会計データはどうなるのか?
お試し期間中や過去の無料プランで入力したデータは?
基本的にはfreeeのサーバーに保存されています。
ただし、現在の無料プラン(プラン未契約)では、取引データなど大切な会計情報へのアクセスがほぼできなくなります。データ自体は消えていなくても、見たり、編集したり、取り出したりすることができない状態です。
有料プランに切り替えたら、データは元に戻る?
はい、大丈夫です。
無料プラン(プラン未契約)の状態から有料プランに契約し直せば、過去に入力・保存されていた全ての会計データに再びアクセスできるようになり、編集や出力も可能になります。この点は安心材料と言えるでしょう。
データのバックアップと取り出し(エクスポート)について
自分でバックアップは必要?
基本的にはご自身の責任で行う必要があります。
freeeもシステム全体のバックアップは取っていますが、それは災害時などのため。個人の操作ミスで消してしまったデータを個別に復旧してくれる保証はありません。
無料プランではデータを取り出せない!
無料プラン(プラン未契約)の状態になると、仕訳帳や総勘定元帳といった会計データを、ご自身のパソコンにCSVやPDF形式で保存(エクスポート)する機能が使えなくなります。
つまり、無料お試し期間が終了し、無料プラン(プラン未契約)になってしまうと、手元に詳細な会計データをバックアップとして保存することができなくなります。
長期間無料で放置すると、データが消える可能性も?
freeeの利用規約には、「無料プラン利用者のデータは、一定期間が経過すると自動的に消去される場合がある」という内容の記載があります。
すぐに消えるわけではなく、最初は「非表示」になるだけとされていますが、将来的にはデータが実際に消去されるリスクがあることは知っておくべきです。
この「一定期間」が具体的にどのくらいかは明示されていません。「無料でずっとデータを安全に保管してもらえる」というわけではない、と理解しておきましょう。
他の会計ソフトへのデータ移行について
無料お試し期間が終了し、無料プラン(プラン未契約)になってから「やっぱり他の会計ソフトを使いたい」と思っても、会計データを取り出す機能が使えないため、データ移行は非常に困難になります。
もし将来的に他のソフトへ移行する可能性も考えているなら、会計データの取り出し(エクスポート)は、必ず「無料お試し期間中」または「有料プラン契約中」に行う必要があります。
【注意点】
大切な会計データを入力した後に無料プラン(プラン未契約)になり、その後でデータを取り出したくなった場合、再度有料プランを契約するしか方法がなくなる可能性があります。
困ったときのサポート体制:無料と有料では大きな違い
会計ソフトの操作で困ったとき、サポート体制は非常に重要です。
無料プラン(プラン未契約)と有料プランでは、受けられるサポートに大きな差があります。
無料プラン(プラン未契約)で受けられるサポート
- AIチャットボット: 簡単な質問であれば、AIが自動で回答を探してくれます。
- メールサポート: 利用できますが「料金や契約に関する問い合わせのみ」という厳しい制限があります。会計ソフトの操作方法や機能、経理処理に関する具体的な相談は対象外です。
- 電話サポート・有人チャットサポート: 利用できません。
操作方法で困った場合、基本的にはヘルプページを自分で調べるか、AIチャットボットに頼るしかありません。
人的なサポートは期待できないと考えましょう。
有料プランなら、より手厚いサポートあり
- スタータープラン: チャットやメールで、操作方法などについて質問できます。
- スタンダードプラン以上: スタータープランのサポートに加え、より優先的な対応や、プランによっては電話での相談も可能になります。
- ポイント: 会計ソフトの操作に不安がある方や、疑問点をすぐに解決したい方は、有料プランの契約が実質的な選択肢となります。サポートの手厚さも、有料プランの価格に含まれる大切な価値の一つです。
- お試し期間中の特別対応: freeeを本格的に使い始める前の相談としてであれば、無料お試し期間中でも電話サポートを受けられる場合があるようです。
freee会計「無料プラン」で何ができる?有料プランを考えるタイミング
freee会計の無料プラン(プラン未契約)は、2024年1月の大幅な機能変更により、以前とは使い勝手が大きく変わりました。
今の無料プランは、会計処理には向きません
大切なのは、現在の個人事業主向け無料プラン(プラン未契約)では、日々の会計処理や確定申告の作業を行うのは非常に難しいということです。
- 取引データの入力、確認、修正ができません。
- 銀行口座やクレジットカードとの自動連携もできません。
- 会計データをご自身のパソコンに保存(エクスポート)することもできません。
これらの制限により、会計ソフトとして継続的に利用するのは困難です。
無料プランの「ごく限られた」使い道
ごく一部ですが以下のようなケースが考えられます。
- 「freee請求書」を単独で使う
月に数枚程度の請求書や見積書を発行するだけであれば、freee請求書の無料枠の範囲で利用可能です。ただし、会計処理は別途行う必要があります。
- アカウントの管理
将来的に有料プランへ変更する際の手続きや、登録情報を変更するといった管理作業のためにログインする程度です。
有料プランへの移行を考えるタイミング
以下のような状況になったら、有料プランへの移行を具体的に検討しましょう。
- 毎日の経理をきちんと始めたいとき
日々の取引を記録し、帳簿を作成して経営状況をしっかり把握する必要があるなら、機能制限のない有料プランが必須です。
- freeeで確定申告をしたいとき
確定申告書類の作成から電子申告までfreeeで行いたい場合は、無料プランでは対応できません。
- 会計データを取り出したいとき
データのバックアップ、税理士とのデータ共有、他の会計ソフトへの移行などを考えているなら、データエクスポート機能が使える有料プランが必要です。
- 銀行口座やクレジットカードと自動連携させたいとき
複数の金融機関の取引明細を自動で取り込み、経理業務を効率化したい場合は、口座連携機能が使える有料プランを選びましょう。
- 困ったときにサポートが必要なとき
操作方法や会計処理について、チャットやメール、電話で相談したい場合は、サポート体制が整っている有料プランが安心です。
- 事業が成長し、より高度な機能が必要になったとき
詳細な経営分析レポートの確認や、消費税申告(インボイス制度対応など)といった、事業のステージに応じた機能が必要になった場合も移行のタイミングです。
【まとめ】freee会計の「無料」を賢く見極めるポイント
freee会計の無料プラン(プラン未契約)について、機能の制限や無料お試し期間との違い、データの扱い、サポート体制など、さまざまな角度から見てきました。
最後に、これらの情報を踏まえ、個人事業主の方がfreee会計の無料提供分を賢く評価するための大切なポイントをまとめます。
「無料プラン」は会計ソフトのお試し版ではない
最も理解しておくべきことは、現在の個人事業主向け「無料プラン(プラン未契約)」の状態は、freee会計の主要な会計機能を「お試し」するためのものではない、という点です。
2024年1月からの大幅な機能制限により、この状態では日常的な会計処理や確定申告業務を行うことは実質的に不可能です。
freee会計が本当にあなたのビジネスに合うかどうかを評価できるのは、あくまで最初の30日間の「無料お試し期間」だけです。
「無料お試し期間(30日間)」でしっかり判断をする
したがって、freee会計がご自身の業務に適しているかどうかを判断するための「真剣勝負の期間」は、この30日間の無料お試し期間となります。この期間中に、
- 銀行口座やクレジットカードとの連携
- 取引の入力や自動仕訳の精度
- 経営状況レポートの見やすさ
- 確定申告プロセスの体験
など、有料プランで提供される主要な機能を徹底的に試し、その利便性やご自身との相性をしっかりと評価することが不可欠です。
「freee請求書」は一部単独で使える可能性も
freee会計本体の機能が大幅に制限される一方で、「freee請求書」という請求書作成システムは、freee会計が無料プラン(プラン未契約)の状態でも、一部の機能を無料で利用できる道が残されています。
請求書を発行する頻度が極めて低い場合など、限定的な用途では役立つ可能性があります。
ただし、freee会計の帳簿との自動的な取引連携は期待できない点に十分注意が必要です。
しっかり情報収集し、計画的にお試しを!
freee会計の利用を検討する際には、まずfreeeの公式サイトやヘルプセンターで最新の料金プランやサービス内容を確認してください。
そして、無料お試し期間を利用する際には、事前に「何をテストしたいのか」「どの機能が自分の事業にとって特に重要なのか」を明確にし、計画的に試用を進めることを強くおすすめします。
また、IT導入補助金のような制度や、freeeが随時実施している可能性のあるキャンペーンなども確認し、コスト負担を軽減できる方法がないか探ってみるのも良いでしょう。
ご自身の事業規模、業務内容、会計に関する知識レベル、そして予算などを総合的に考慮し、freee会計の無料プラン、無料お試し期間、そして有料プランの中から最適な選択をすることが、事業の円滑な運営につながります。