役員報酬の基礎知識、損をしない設定方法

 

役員報酬は会社を運営するうえで重要な項目です。

誰しも会社を経営してたくさんの役員報酬を貰いたいからです。

しかし、役員報酬は他の従業員の給料とは異なり、税法では特別なルールが設けられています。

それを知らずに、適当に役員報酬を設定してしまうと、大きな損をすることがあるので注意が必要です。

役員報酬の決め方-基礎知識

会社を作ったばかりで、顧問税理士もいないとなると役員報酬はいつどうやって決めるのか悩むところだと思います。

まずは、何で適当に決めてはいけないのかも含めて基礎の部分からご説明します。

 

役員報酬は一定額でなくてはならない

うわさでは聞いたことがあるかもしれませんが、役員報酬は好きな時に好きなだけ払えばいいものではありません。

正確には払うのは自由なのですが、一定額でない場合は一部が経費として認めらなくなってしまいます。

この定期的に同額でなくてはならない役員報酬を「定期同額給与」と言います。

国税庁のHPでは次のように説明されています。

その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの

定額じゃない役員報酬はどうなる?

便宜上、税理士は「役員報酬は定額じゃなきゃいけません。」と顧客には言います。

ですが、別に定額で払わないといけないわけではありません。

しかし、定額で払わないとかなり無駄な税金を払うことになってしまいます。

例えば、下記のように期の途中で勝手に役員報酬を変更してしまったとします。

 

すると…

 

 

途中で何の理由もなく増額した分20万円の6か月分である120万円は経費として認められません。

だからと言って所得税は普通に課税されます。つまり、所得税の払い損です。

ですから、一般的には役員報酬は定額でないと駄目と言われています。

定額じゃなきゃダメなのはわかったけど、いつまでその額を続ければいいの?

役員報酬は定期同額でないと経費として認められないのですが、ずっと変更できないのかというとそういうわけではありません。

ただし、原則として変更するタイミングは年に1回しかありません。

1年に1回だけ期首から3ヶ月以内に変更することが可能です。

 

その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。

国税庁のHPでは上記のように書かれています。一般的には定時株主総会で役員報酬を変更する会社が多いです。

作ったばかりの会社はどうなるの?

その場合は臨時株主総会で期首から3ヶ月以内に決定するのが無難です。

一応この3ヶ月を経過する日までというのは、役員報酬を「改定」する場合の話であって、
新規に会社を設立した場合には、そもそも役員報酬は決められていないので「改定」ではないように思います。

 

税理士によっては、「新設法人は3ヶ月以内に決めないと駄目」と言う税理士もいますし、
初年度は、3ヶ月でなくても株主総会で決めていれば良いという税理士もいます。

3ヶ月以内に決めておけば間違いないと思いますが、
会社を設立してから3ヶ月を超えて準備をし、営業開始がそれ以降になってしまうケースはよくあります。

 

そういった場合は顧問税理士に相談して下さい。
実施に弊社では3ヶ月以後に役員報酬を決めた事例もありましたが、そのことを税務署に指摘されたことは今のところありません。

だからといって、遡って役員報酬を決めることができるわけではありませんのでその点はご注意ください。

役員報酬はいくらにすればいいの?

役員報酬というのは、会社の経費になります。

ですから、役員報酬が多ければ当然会社の利益は少なくなります。

反対に、役員報酬を少なくすれば会社の利益は多くなります。

まずはそれを理解して下さい。

ここからは、役員報酬をいくらにするのが一番税金の負担が掛からずに済むのかご説明いたします。

役員報酬に関する

○法人税(地方税含む)

役員報酬は会社の経費となるため、役員報酬を多くすれば法人税は減りますし、役員報酬を少なくすれば会社の利益が増えることになるので、法人税は増えます。

○所得税(市県民税含む)

役員報酬は給与所得として所得税が課税されます。当然ながら役員報酬が高ければ所得税は高くなりますし、役員報酬が低ければ所得税は少なくなります。

○社会保険

役員報酬の額によって、社会保険料の額も変動します。こちらも、役員報酬を考える上で考えなければならない項目になります。

法人税と所得税、安いのはどっち?

法人税の方が高ければ、限界まで役員報酬を取って会社の利益を無くし、役員報酬として取り所得税を負担した方が税金は安くなります。では、法人税と所得税はどちらが安いのでしょうか??

※このほかに地方税が掛ります。

所得税の税率

法人税の税率

 

 

如何でしょうか?パッと見所得税の方が高く見えます。

たしかに現在、最高税率は所得税の方が高いです。

しかし、所得税は最高税率は高いのですが、195万円以下の部分は5%という低い税率になっています。

ですから、役員報酬は安ければ安いほど税金が安くなるのか?というとそんな単純な話ではないわけです。

役員報酬のシュミレーションを行う

正直なところ、この場でパッと最適な役員報酬の金額を応えることはできません。

所得税、法人税、社会保険だけでなく、そもそもその会社の利益の額や役員の人数等によっても最適な額は変わります。

税金のことだけを考えていられないケースもあります。そうなると、一律で計算するのは不可能です。

そこで、便利なエクセルシートをご紹介します。

 

役員報酬の金額と、会社の業績を入力すると【改定前と改定後】後の税額を比べることができるものです。

大事なのは、こういったものを使って、一番税金が安くなる役員報酬の設定額を探すことではなくて、

どの程度の税金と社会保険になるのかを知ることです。

それを知ったうえで、様々な事情を考慮し役員報酬を設定して下さい。

 

まとめ

今回は役員報酬に関する税金についてご説明しました。

これはあくまで、税金だけの話ですので、実際には役員報酬を決める際には、税金以外にも考慮しなければならないことはあると思います。それらを総合的に考えて最適な役員報酬を決めて下さい。

また役員報酬は節税を考える際には重要な項目になりますので、慎重決定するようにして下さい。

税理士を変更でお付き合いさせて頂くことになったお客様で、特別な理由もなく、何年間も役員報酬が高すぎて法人がものすごい損失を出している会社がありました。役員報酬の額は、税理士に言われた額にしていたそうです。

こういった事が無いよう、役員報酬を決める際には、個人の税負担と法人の税負担を考えながら決めるようにするのが良いと思います。

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