一般の方100名から税金に関する質問・疑問を頂きそれに回答するコーナーです。
今回の質問・疑問はこちらです。
賞与の税金に関してですが、今年の7月にいただいた賞与の税金を見てみると所得税がだいぶひかれていました。(50万支給で、所得税だけで約7万・・・)賞与等の税金の計算方法について簡単に説明ください。
このような質問を頂きましたので回答してみたいと思います。
まずは給与の源泉所得税から確認して、どう違うのかを見て行きましょう。
給与の源泉所得税の計算方法
給与と賞与の源泉所得税は少し違います。
給与の場合は、下記のような表に当てはめて縦軸(給与の額)横軸(扶養親族等の数)が交差するところの税額が給与から天引きする源泉所得税の金額となります。
給与(社会保険料控除後)30万円で扶養が1人の場合は6,740円になります。
賞与の源泉所得税の計算方法
では本題の、賞与の源泉所得税はどのように計算されているのでしょうか?
下記の表をご覧ください。
先ほどの給与の源泉所得税と似ていますが若干異なります。
賞与の場合は、扶養の人数と前月の給与の額から、税率が決まり、その税率を賞与の金額を掛けて源泉所得税が計算されます。
見る順序としては、
① 扶養の人数を見る
② 前月の給与を見る
③ 該当するところの税率を見る
④ 賞与の金額に税率を掛けて計算する
という流れで計算することになります。わかり辛いので実際に計算して見ましょう。
実際に賞与の源泉所得税の額を計算してみよう
実際にAさんとBさん2つのパターンで源泉所得税の額を計算して見ましょう。
条件は下記の通りとします。
○Aさん 月給30万円 - 賞与 50万円
○Bさん 月給50万円 - 賞与 50万円
※扶養家族はいずれも0人、給与は社会保険料控除後と仮定します。
Aさん 50万円×8.168%=4万840円
Bさん 50万円×16.336%=8万1680円
賞与の金額同じでも税額は異なる
上記で計算した通り、同じ賞与の金額で源泉所得税は異なる場合があります。
同じ金額の賞与でも給与の額によっては税金が違ってくると聞くと、どちらかが損をしていると思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。
詳しくは>>なぜ年末調整をするのか?をご覧ください。
まとめ
このご質問の場合は、賞与50万円に対して7万円の税金ということなので、
50万×14%=約7万円となり、賞与の金額に対して約14%の税率で源泉所得税が計算されています。
扶養家族の人数がわかりませんが、
扶養家族が0人なら 月給は395,000円~426,000円
扶養家族が1人なら 月給は422,000円~455,000円
扶養家族が2人なら 月給は450,000円~484,000円
税率が約14%だとこの欄から計算されたことが推測されます。
いかがでしたでしょうか。賞与の源泉所得税とは少し計算が違いますので、従業員さんに賞与を支払う時は気を付けて下さいね。