会社の決算月(期)を変更する方法と具体的な手順(臨時株主総会議事録サンプル付)

 

会社の決算月は変えられないと思っている方も多いですが会社の決算月は変更できます。

しかも、簡単で費用も掛かりません。紙っぺら1枚 出すだけで手続きは完了します。

以下、具体的な手順になりますので参考にしてみて下さい。

 

1.臨時株主総会を開催し議事録を作成

 

臨時株主総会議事録のサンプルはこちら → 臨時株主総会議事録(決算期変更)

 

決算月を変えるために、まずは臨時株主総会の決議が必要になります。

ほとんどの会社が事業年度を定款で定めていると思いますので定款の変更しなければなりません。

定款の変更は株主の総会の特別決議が必要となります。

また、登記簿謄本を取ったことがある方はお分かりになるかと思いますが、登記簿謄本に決算月は記載されていません。つまり、決算期を変更しても変更登記は必要ないということです。そのため費用は掛かりません。

 

 

この臨時株主総会議事録を作成すれば処理はほぼ終わりです。

 

2.税務署への届出

臨時株主総会の決議後、議事録のコピーを添付して、所轄税務署、県税事務所、市役所に異動届出を提出します。

○異動届出書(税務署)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf2/h006.pdf

※県税事務所、市役所の異動届では地域によって異なるため記載していません。各都道府県、市区町村のHPよりダウンロードできるはずですので、検索してみて下さい。

 

 

(参考)今回は、3月決算法人から、1月決算法人への変更を例にしています。

これらを各役所に提出すれば決算月変更の処理は完了です。

3.決算月はいつ変更できるのか?

いつでも決算期の変更は可能です。しかし、事業年度が1年を超えることはできません。

どういうことかというと、3月決算法人で現在が12月だとします。そして決算期を2月に変更する場合は、下記のようになります。

 

 

しかし、同じ条件で4月決算に変更した場合は、下記のようになります。

 

当初の3ヶ月決算を無くして4月に決算を伸ばすことはその期は13か月になってしまいますのでできません。

この場合通常通り3月に決算を行い、翌月4月にまた決算を行いそこから毎期4月決算となります。

また当然ながら過去に遡って決算月を変更することもできません。

 

4.決算月は何月が最適なのか?

これは人によって意見が分かれることもあると思いますが、一般的に言われるのは繁忙期と重ならない月です。

例えば、税理士法人で言うと1月決算は避けたいですね。

なぜなら、1月決算の場合申告月は3月になり確定申告と重なってしまうからです。

また、業績に季節変動がある会社の場合、セオリーとしては、一番利益が上がる時期を期首にすることです。

税理士法人であれば、確定申告時期である3月は売上が多くなるので、3月を期首にして最初に大きな利益を出します。

あとは、1年かけてその利益の処分を考えるというやり方です。

 

1、期首に大きな利益が出るが残り1年かけて計画的に節税を行う

2、期末に大きな利益が出て慌てて節税を検討する

 

これのどちらがいいですか?という話です。

恐らく多くの方は、1を選択するのではないでしょうか?

 

5.決算期変更は節税対策になるのか?

 

決算期を変更することでなぜ節税になるのでしょうか??

恐らく決算期を変えようとする人は3パターンに分かれるのではないかと思います。

 

1、何かしらの業務的な理由

2、数か月先に大きな利益が出る見込みがある

3、役員報酬をすぐに変更したい

 

おおよそこの3パターンです。

それぞれのパターンを説明しますが、1のケースは節税を目的としたものではないと思うので省略します。

 

ケース2 数か月先に大きな利益が出る見込みがある

この場合はかなりの節税効果が見込めます。

 

(例)当社9月決算法人

本日2019年4月15日、現在までの利益はほぼ0円、

しかし、8月に3,000万円の利益が出る取引が成立し今期は3,000万円の利益が出る見込み

 

この状況であなたならどうしますか??

何もせず、3,000万円の利益をだし1,000万円近くの納税をしますか?

それとも、節税の保険にでも入りましょうか?

それも良いでしょう。それも一つの選択肢です。

では、こうしたらどうでしょうか?

 

決算月を7月に変更し、一旦7月で締める。

それにより、8月に3,000万円の利益は来期に回すことができる。

そして、1年かけてゆっくり利益の処分について考える

 

 

このように、近い将来大きな利益が見込まれる場合は、決算期を変更することで大きな効果を得ることができます。

この方法は、税金そのものを減らしているわけではありませんが、納税を1年近くも先に延ばすことができるので、計画的に別の節税対策を講じることもできるので優れた方法だと思います。

 

3、役員報酬をすぐに変更したい

役員報酬は『定期同額』でなくてはならず、一度決めた役員報酬は期の途中では変更できない。

ほとんどの人はこのような認識ではないでしょうか?

厳密に言えば、期の途中で役員報酬を変更することはできますが、それ相応の理由がないと一部経費として認められないために、誰も途中で変更しないことから一般的にはこのような認識になっています。

しかし、全て経費として認められる形で、期の途中で役員報酬を変更する方法があります。

それが決算期の変更です。

 

(例)当社12月決算法人

本日2019年4月15日、予定よりも調子が良くこのまま決算を迎えれば2000万円の利益が出る見込み。

よし、期の途中であるが、4月に決算月を変えて役員報酬を200万円に決めなおそう!

 

このように、期の途中で決算月を変更することにより、役員報酬を決めなおすことができます。

なぜ1年たってなにのに役員報酬を決めなおしても良いかというと、役員報酬は次のように定めされてるからです。

 

定期同額給与とは次に掲げる給与です。

(2) 定期給与の額につき、改定がされた場合におけるその事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又はその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額又は支給額から社会保険料及び源泉所得税等の額を控除した金額が同額であるもの

その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。

 

定期同額給与というのは、上記のように決められていることから、さきほどの例によると、決算期月を4月に変更することによって、事業年度開始が5月に変わります。

それによって、役員報酬を再度設定することができるようになるわけです。

 

利益が出たからと言って、何の考えもなしに役員報酬を増額しても節税にはなりませんが、検討の余地はあるかと思います。

役員報酬のシュミレーションは下記の記事をご覧ください。

 

 

 

まとめ

いかがでしたしょうか?

今回は決算期の変更の仕方とその効果について説明しました。

決算期変更は上手く使えば、節税の効果がかなり得られる優れた方法ですので、ぜひ検討してみて下さい。

 

 

 

 

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